このコーナーは長年「週刊大衆」の専属記者として夜の世界を中心に地を這う取材を行ってきた久慈修人が、これまでの記者人生で得た経験や思い出、そして今現在気がついたことを徒然なるままに呟く独り言です。ネタ元が主に週刊大衆ということもあるため「都市伝説的な形式」でお送りさせていただいております。つまり、信じるか信じないかは読者の皆様次第です。思わず腰をぬかしてしまうような奇妙な話、懐かしいあの頃の話、目頭が熱くなるような感動的な話、そしてただのタワゴトなどその内容は多岐にわたっておりますが、同世代のベテラン記者の話は夕やけ大衆の読者の皆様にもきっと深い共感を与えることでしょう。ここでは肩と股間の力を抜いてお楽しみください。

編集長

【『半沢直樹』も！新型コロナ禍から新ドラマスタート】

　新型コロナウイルスの影響で、ドラマ収録がストップし、各局、過去の再放送でドラマ枠を埋める事態が続いていた。新作ドラマの記事は、週刊誌の定番だが、しばらく開店休業的な状態だった。しかし、6月27日には話題の『未満警察　ミッドナイトランナー』（日本テレビ系）のオンエアがスタートするなど、新作がどんどん解禁されはじめている。

　そんななか、7月19日から、ついに『半沢直樹』（TBS系）の第二シリーズがスタートする。いやあ、待ってましたよ『半沢直樹』。もちろん、2013年に放送され、大人気を博した池井戸潤原作シリーズの続編のことだ。

『半沢直樹』は、日本のドラマのある種の革命だった、って気がする。一見地味な、「銀行を舞台にした経済ドラマ」をあそこまで面白く見せるなんて、本当にびっくりした。時代劇のような登場人物たちの大仰な芝居が、話をグンと引き立てていた。

　主演の堺雅人はいうに及ばず、敵役の香川照之も思いっきり憎まれ役を演じていたなあ。

　この作品に出たことで、グンと知名度を上げた俳優もいる。代表的なのは片岡愛之助。オネエ口調の金融庁検査官という役回りが抜群の存在感を醸し出して、この作品以降、あちこちのドラマに駆り出されるようになった。

　それから、半沢の同僚を演じた滝藤賢一。きついノルマを課され、精神を病むという難しい役どころを見事に演じて、「あの役者は誰だ」と話題になったものだ。彼もこの作品を通じて、売れっ子俳優への道を歩みはじめた。いろんな役者がそれぞれの見せ場を作り、ドラマのダイナミズムを引き立てていた。最終回が「続編」を匂わせる終わり方だっただけに、続編はすぐに製作されるものと思っていた。

　2013年時点で原作の続編にあたる『ロスジェネの逆襲』は、すでに上梓されていたし、さらにその続編にあたる『銀翼のイカロス』は、2014年に単行本化されている。テレビ局がその気になれば、続編はすぐに作れたはずだ。ところが、それから7年間『半沢直樹の続編』は、いつまで待っても作られることはなかった。

　巷間、「堺雅人が渋っていた」という噂が飛び交っている。強烈な作品だけにイメージの固定化を嫌がったというのだ。そうかもしれない。この間、堺はNHK大河ドラマ『真田丸』に主演するなど、仕事の幅を広げた。「7年も経ったし、もうよかろう」ということになったのか、今回ばかりはスムーズに話が進んだようだ。

　ところが、2020年の春ドラマとしてスタートするはずだった『半沢直樹』は、コロナ禍に巻き込まれて、スタートが伸びてしまった。まあ、考えようによっては、7年も待ったのだから、2、3か月の遅れはどうってことはない。待たされた時間が長かっただけに期待は大きい。

『半沢直樹』が、またしてもドラマ界に大きな爪痕を残してくれることを期待したい。