Catch Up
キャッチアップ
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キャッチアップ
ドライな仕事だけの関係が繰り広げられる特別な場所。性欲と金欲の狭間から生まれた奇跡の物語をお届けします。
会社員の田淵宏氏(41)は今も、あのとき受けたショックから回復できないと言う……。
「彼女から深夜に〈今、どこにいる?〉というメールが入ったんです。僕が起きているなら来るという話でした。僕は〈家にいるよ〉と返しましたが、嘘をつく意識もなく、何も考えず、近所の終夜営業のスーパーに買い物に行こうと家を出たんです」
だが、田淵さんは、そこで見覚えのない車から降りてくる恋人を目撃する。
「運転者に頭を下げる彼女を見て、浮気ではないと思いました。でも、浮気のほうがよかったかもしれない」
田淵さんが寄っていくと彼女は驚いた顔をしたが、田淵さんのことを特別に考えているのは確かなようで、その理由を説明したという。
「ピンサロで働いていると告白されました。そのうえ、私たちの未来のためを思ってやっていることだから、信じて認めてほしいといわれてしまいまして……」
納得はいかないものの、同時に、容姿から性格まで、文句のつけようのない彼女でもあった。料理も上手で、風俗業界にありがちな派手さも、まったくない。
「それで、結婚するなら許すと言ったんですよ。一応、年内いっぱいでピンサロを辞めて、来年の春に入籍する話をしています」
なかなかロマンチックな話だが……。
「もともと地味目な彼女なのに、最近、フェラだけがめちゃくちゃうまくなって、嫉妬半分、結果的に何度もイカされてしまってます」
田淵さんの胸中は穏やかならぬようだが、その表情はノロケ話をしているようにしか見えなかった。
また、単なるノロケとは一括りにできない、大ロマンスのような話もある。
最近、定年退職したばかりだという横井万蔵さん(66)が打ち明けてくれた。
「私は山形県在住なんですが、在職中はしばしば親会社のある東京に出張に来ていた。そのとき、赤坂の高級デリヘル嬢を呼んだんです。土産話のつもりだったんですが、その女の子があまりにも素晴らしくて、年甲斐もなく何度もイッてしまいました。それ以来、東京出張があれば、その店を利用し、その女の子を指名しました」
ここまでは、ロマンスやノロケ話というより、ちょっとツイている話にすぎないのだが……。
その後、ほどなくして横井さんは定年を迎え、悠々自適のセカンドライフを得た、はずだった。だが、何かが足りない。
「そのとき、ハタと思った。“赤坂のあの子とオレの故郷で会いたい”と。そう気づいてからは早かったですね。すぐに店に電話して、無理を承知で交渉です」
店も通常は断るところだが、これまで何度も金を落としてくれた上客。熱意にほだされ、女の子も、“あのお客さんなら”と同意したそうだ。
「交通費、宿泊費、1泊2日となるので、その拘束時間にかかる費用も全部持って、総額30万円強。それで、蔵王が見える山形の地元まで来てもらったんです」
地元の駅で再会を果たした2人の目には、涙が浮かんでいたという。
欲望の果てに生まれた笑いあり、涙ありの美談――次はアナタが当事者かも!?
会社員の田淵宏氏(41)は今も、あのとき受けたショックから回復できないと言う……。
「彼女から深夜に〈今、どこにいる?〉というメールが入ったんです。僕が起きているなら来るという話でした。僕は〈家にいるよ〉と返しましたが、嘘をつく意識もなく、何も考えず、近所の終夜営業のスーパーに買い物に行こうと家を出たんです」
だが、田淵さんは、そこで見覚えのない車から降りてくる恋人を目撃する。
「運転者に頭を下げる彼女を見て、浮気ではないと思いました。でも、浮気のほうがよかったかもしれない」
田淵さんが寄っていくと彼女は驚いた顔をしたが、田淵さんのことを特別に考えているのは確かなようで、その理由を説明したという。
「ピンサロで働いていると告白されました。そのうえ、私たちの未来のためを思ってやっていることだから、信じて認めてほしいといわれてしまいまして……」
納得はいかないものの、同時に、容姿から性格まで、文句のつけようのない彼女でもあった。料理も上手で、風俗業界にありがちな派手さも、まったくない。
「それで、結婚するなら許すと言ったんですよ。一応、年内いっぱいでピンサロを辞めて、来年の春に入籍する話をしています」
なかなかロマンチックな話だが……。
「もともと地味目な彼女なのに、最近、フェラだけがめちゃくちゃうまくなって、嫉妬半分、結果的に何度もイカされてしまってます」
田淵さんの胸中は穏やかならぬようだが、その表情はノロケ話をしているようにしか見えなかった。
また、単なるノロケとは一括りにできない、大ロマンスのような話もある。
最近、定年退職したばかりだという横井万蔵さん(66)が打ち明けてくれた。
「私は山形県在住なんですが、在職中はしばしば親会社のある東京に出張に来ていた。そのとき、赤坂の高級デリヘル嬢を呼んだんです。土産話のつもりだったんですが、その女の子があまりにも素晴らしくて、年甲斐もなく何度もイッてしまいました。それ以来、東京出張があれば、その店を利用し、その女の子を指名しました」
ここまでは、ロマンスやノロケ話というより、ちょっとツイている話にすぎないのだが……。
その後、ほどなくして横井さんは定年を迎え、悠々自適のセカンドライフを得た、はずだった。だが、何かが足りない。
「そのとき、ハタと思った。“赤坂のあの子とオレの故郷で会いたい”と。そう気づいてからは早かったですね。すぐに店に電話して、無理を承知で交渉です」
店も通常は断るところだが、これまで何度も金を落としてくれた上客。熱意にほだされ、女の子も、“あのお客さんなら”と同意したそうだ。
「交通費、宿泊費、1泊2日となるので、その拘束時間にかかる費用も全部持って、総額30万円強。それで、蔵王が見える山形の地元まで来てもらったんです」
地元の駅で再会を果たした2人の目には、涙が浮かんでいたという。
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