KAT-TUNの亀梨和也主演『正義の天秤』がNHK土曜ドラマ枠でオンエア中。弁護士が主人公の法廷ドラマなのだが、この弁護士が通常の弁護士の枠に収まらない型破りの「弁護」をするので、見る方はハラハラ。「どうなるんだ」と思って見ているうちに、主人公の術中にハマってしまうと言う仕掛けになっているのだ。

　例えば、第一話。釣りボート店のアルバイト店員が釣り客である大手飲食チェーン店の社長を溺死させた罪に問われた事件を担当することになった鷹野和也（亀梨）。「法律事務所」のチームの活躍で被告を無罪にできる決定的な証拠を掴みながら、「この証拠で被告を無罪にできるが、それで被告は満足なのか」と法廷で事件の真相を語り始める。実は、大手飲食チェーン店の社長は、かつて被告の息子を過労死に追いやった張本人で被告は計画的に社長殺害の機会を狙っていたのだ。通常の弁護士はそこまで深入りする必要はないが、この元外科医の天才弁護士の目的は単に被告を弁護することではなく、事件にかかわる人々の魂を救うことにある。ということで、被告の弁護という枠を取り払って、事件の真相に迫ろうとするというわけだ。

　第二話。自身の傷害事件で自分に不利な判断を下した裁判員の女性を逆恨みして殺害したとされる被告の弁護にあたる鷹野ら。被告は殺害自体は認めているので情状酌量の方針で、チームは裁判に挑もうとするが、事件の裏に何かがあるとかぎ取った鷹野は、法廷で驚愕の事実を明らかにする。実は殺したのは被告ではなく……おっと、これ以上のネタバレは野暮だろう。型破りの弁護士の無敵ぶりが窺える展開だったとだけ書いておこう。

　この第二話において、鷹野の恋人で今や意識不明の状態になっている弁護士の雨宮久美子（大島優子）の存在が明らかとなった。彼女はある事件を追ううちに暴漢に襲われ、現在の状態になってしまったのだが、その犯人も動機も不明のまま。今後、鷹野がこの事件の真相を追っていくことが、今後の展開の大きな流れになっていくことが予想される。

　とにかく、この型破りの弁護士は亀梨和也のハマり役。スタイリッシュでカッコいい鷹野弁護士からしばらく目が離せそうにない。

• （文）久慈修人『週刊大衆』専属記者。【Twitter】@SayEach
• （編集）スナイパー神津『週刊大衆』編集部員。【Blog】https://sniperkozu.com/