『#家族募集します』（TBS系）は、「はっしゅたぐ、かぞくぼしゅうします」が正式タイトル。「#」に、意味が込められているのだ。

　主人公はジャニーズWESTの重岡大毅演じる赤城俊平。妻を亡くしたばかりのシングルファーザーだ。彼の幼馴染で「家族募集」の発案者が仲野太賀演じる小山内蒼介。小山内が働くお好み焼き屋「にじや」を立て直すために、「にじや」二階の空き物件で、共同生活をして家賃収入を得ようという目論見で、「#家族募集します」とSNSに投稿したことがきっかけで、人々が集まり始める。

　ちょっと堅物な小学校教師のシングルマザー・桃田礼（木村文乃）、子持ちのシンガーソングライターでシングルマザーの横瀬めいく（岸井ゆきの）が、次々と集結。小山内以外のそれぞれが、ひとりづつ子供を持っているため、大人４人と子供３人奇妙な共同生活を始めることになる。

　番組ホームページの表現によれば、〈性格も価値観もバラバラな男女４人＋子ども３人が繰り広げる、一風変わった同居生活。血は繋がっていなくても、一つ屋根の下で「ただいま」と「おかえり」を繰り返し、“家族”としての絆を深めていく彼ら。一緒に泣き、笑い、時にぶつかり合いながら、本当に家族のように助け合って暮らす彼らの姿を通して、“こんな家族がどこかにいてもいいんじゃないか”と思えるような、心温まるホームドラマ〉ということだが、果たして、目論見通りの内容になっているのか？

　結論から言えば、うまくいっているところもあるけれども、そうでないところもある、と言ったところか。

　なんにせよ、３人の子どもたちが物分かりが良すぎるような気がする。他人同士がツノ突き合わせて一緒に暮らし、本当の家族同様に仲良くなるには、もっともっといろいろな軋轢があるような気がするのだが、そのあたりは案外スルリと通り過ぎているような気がするのだ。もっとも、短いワンクールのドラマで、そこをじっくり描くのはもともと無理な話なのだが……。

　木村文乃がなぜ、夫と別れなければならないかも、今ひとつ納得できない。

　そんなモヤモヤが残ってしまう展開になっているのだ。

　まあ、それはともかく、ドラマは終盤に向けて走り始めている。

　俊平の妻みどり（山本美月）が残したボイスレコーダーを通して、みどりが最後に作りたかった絵本を俊平が作ろうとするという流れ。これが、最後までドラマのキーになっていくことが確実になってきている。

　第７話ではみどりの声を、俊平と礼が浜辺で聞いて、みどりと俊平の絆の強さを礼が知ると言う展開があった。

　俊平と礼は、今後どういう関係になっていくのか。なんだかんだいいながら、今後の展開が気になってしょうがない。

• （文）久慈修人『週刊大衆』専属記者。【Twitter】@SayEach
• （編集）スナイパー神津『週刊大衆』編集部員。【Blog】https://sniperkozu.com/