このコーナーは週刊大衆ベテラン記者の柚月怜氏が、街のタクシー運転手さんに乗客の破廉恥な行状をお伺いしたものです。タクシー運転手さんといえば、世の中で一番「街の事情に詳しい方々」といっても過言ではありません。新聞やテレビでは決して報じられない一般人たちの「ハシタナイ素顔」に腰を抜かしていただければ幸いです。なぜなら、この報告書には「真実」しかないのですから。

編集長

【被害ドライバー】

遠田信夫さん（65歳＝仮名）。タクシー運転手歴は12年、群馬県太田市を拠点にしている。独身。若い頃に結婚を考えていた女性がいたものの、浮気をされて破局。それ以降、女性と付き合うのが怖くなった。趣味はスマホゲーム、好きなAVジャンルは「痴漢もの」。

【えっ！　いまなんておっしゃいました？】

「仲良くしているバーのマスターがいてね。深夜にバーのお客さんが帰られる時は、自分に声をかけてくれるんですよ」

　今年の初夏の頃だった。その日もマスターから迎車の依頼があり、近くで待機していた遠田さんはすぐさま店に向かった。時間は深夜２時を過ぎていた。

「そこのバーは太田では珍しく高級バーでね。お客さんも年配で小洒落た方が多いんです。客層がいいから、泥酔客を乗せるなんてことも滅多になかったですよ」

　タクシーを店の前につけて、遠田さんはバーの店内に入った。「お待たせしました」と声をかけると、店の中にはカップル客しかいなかった。

「ちょっと驚きましたね。男性のほうは50代ぐらいのダンディな紳士でしたが、お連れの女性はまだ高校生かと思うほど若くてあどけないタイプだったんです」

　最近流行りのパパ活のようにも思えたが、二人の雰囲気は、じゃれあう恋人同士といった感じだった。

　二人を後部座席に乗せて、車を発進させた。目的地はどうやら女性が一人暮らしをしているマンションのようで、男性も泊っていくようだった。

「正直、羨ましかったですねー。どっちかというと、女性が年上の彼のことが好きで仕方ないようで『帰ったら、桃剥いてあげるね』なんて甘い声で囁いているんです」（前同）

　マンションまでは結構、距離があって、30分はかかりそうだった。

　歳の差カップルを乗せながら、走ること10分ほど経った頃だ。

「静かにしているなぁ、と思ってバックミラーを見たら、男性の手が彼女の太ももを撫でていたんです。彼女は恥ずかしそうに両脚をピタッと閉じるんだけど、男性はどんどん太ももの間に割り込ませて、どんどん奥に侵入させていったんです」

　むろん、この程度の行為はカップル客を乗せた時によくあることだ。遠田さんは見て見ぬふりをしていたのだが、

「早く言えって」

　男性が低い声で、女性に囁く。

「やだ、言えない」

　女性はぶんぶんと首を振るが、スカートの中に突っ込まれた手を振り払おうとはしない。

「言えよ」「言えない」「言えって」「無理だって」

　一体何を言わせたがっているのか、遠田さんは気になって仕方ない。しかも、そのやり取りはマンションに到着するまで延々と続いたという。

　そして、遠田さんがタクシーを止めて、運賃を告げた時だった。

　男性が財布からお金を取り出しながら、女性に向かって「言え！」と怒鳴るように命令した。すると女性はビクッと体を震わせたあと、諦めたように、

「あの、運転手さん……これから私たちがセックスするところを見てもらえませんか？」

　冗談とは思えない潤んだ瞳でお願いしてきたという。

　遠田さんが愕然として、男性のほうを見ると、

「どうですか？　見ていただけるなら、この子のオマ〇コを使っていいですよ」

　あろうことか、目の前の若い女性とヤッてもいいと言うのだ。

「いやあ、あの時は本当に驚いたし、どう返事していいか分からずパニックになりましたよ。正直、一瞬だけど『いいんですか？』と言いそうになりましたよ。ただ、さすがに怖くてね。丁重にお断りましたけど、本当にいるんだねぇ、ああいうカップル」

　それ以来、マスターから迎車の連絡があると、またあのカップルじゃないかと変に期待をしてしまうそうだ。

取材＆記事：柚月怜（ゆづきれい）

20代の頃より「週刊大衆」の記者として、街の妖しい噂やエロスポットを中心に取材。官能作家として、著書『惑わせ天使』（双葉社刊）もある。