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大手AVメーカー『ソフト・オン・デマンド(SOD)』の応接室に入ってきた彼女はすらっと背が高く(173㎝)、見事なプロポーションだが、ちょっと緊張した表情だ。
「よろしく、お願い、します」
日本語も少しぎこちない。
同席してくれたSODの広報担当者が言葉を添える。
「彼女、両親は日本人なんですが、生まれも育ちもアメリカでしてね。日本語より英語のほうが話しやすんですよ。3年前に結婚して日本に住むようになったから、日本語もずいぶんうまくなったんですが、なんなら英語でインタビューしてもいいですよ」
いやいやいや。記者は自慢じゃないが、You're pretty とIlove youしか知りませんから。「いやもう、是非日本語でお願いします」というしかない。
ちなみに、この女性――シゲモリ・アヤさんがインタビューを受けるのは、この夕やけ大衆が初めてとか。おお、バージン! だったら、優しく聞かなくちゃ!
「ええと、日本に来たのは3年前ですね。いまどこに住んでいるんですか?」
「JR中央線の某駅からバスでちょっと行ったところです。東京でも昔ながらの下町だから町内会の活動も盛んでね。町内のお掃除会とか、年末になればお餅つきとかイベントが結構多いんです。うざったい? いや、そんなことないですよ。町内会の人はとても親切で暖かいんですね。“あんた、アメリカから来たの? そんじゃ餅つきなんてやったことないね。ほら、餅ついてみなよ。この棒(杵)でどん、どんて叩くの”なんて感じでね。人情っていうんですか? そういうのがあるんですよ。いいところに住んだと思っています」
いまや町内会のアイドル的存在。結婚生活やご近所付き合いはうまくいっているのだが、実はちょっと不満があるという。少しモジモジして、
「あのですね。なんていうか、ストレートにいえば夫とのセックスなんですよ。同い年の夫(日本人)と知り合ったのは5年ぐらい前で、そのころはデートの後に必ずベッドインしてたんですね。ところが、結婚して1年、2年と過ぎると、どんどんセックスの回数が減ってしまって……」
と顔を赤らめる。
週3が週1になり月1。最近は彼女のほうから誘わなければ1カ月に1回もない。それに加え、セックスの中味もどんどん薄くなっている。
「セックスしたいときは私のほうから夫の布団に入るんだけど、夫が少し面倒臭そうに“やりたいの?”って聞くんですね。これも嫌なんだけど、最近はインサートする前に口で咥えてエレクトさせるのがルールみたいになっているの。インサートだって私が上になることがほとんどですしね。日本の男性は結婚したら奥さんへの性的興味がガクンとなくなるって聞いたことがあるけど、本当なんですね」
彼女は朝5時に起きて、夫のお弁当を作るのだが、満たされない体を慰めるのはこのときだ。
「台所の椅子に座って、自分の指でね。そんなに時間もかからないんだけど……結婚前に行ったホテルでのエッチとか、そんなことを思い描いています」
マスターベーションの相手も基本は夫だったのだが、浮気心が出たのはいまもときどきやっているカタログ雑誌のモデルの仲間からこう耳打ちされてからだった。
「アナタ、AVに出てみない? 可愛くてプロポーションばっちりだし。出ればギャラも多いしね」
それから時々、ネットで配信されているAV動画をこっそり見るようになった。
「アメリカで高校生だったころ、友達と2、3度ポルノを見たことがあったのですが、日本のAVとはぜんぜん違うんですよね。アメリカのはプロっぽい女性がガンガン攻めて、男優もひたすらグラインドするって感じでね。なんか交尾って感じなの」
ところが、日本のAVは女優もプロ的ではなく、女優をエロくさせる、イカせることに力を入れる。
「インサートもただ男優がグラインドするだけでなく、女性のほうが男性を攻めるパターンや指でのエッチなど盛りだくさんなんですね。それに画像の端々に女優さんがお姫様みたいな感じで扱われていることもへーって思いました」
それからこっそりAVを見るようになったのだが、モデル仲間の「ギャラも多い」という言葉も魅力的だった。
「実はわたし、来日してからいろいろあったから、結婚式ってのをやってないんですね。日本の結婚式は打ち掛けっていうんですか? あんなのを着たり、ウェディングドレスを着たり、すごいじゃないですか。その結婚式をやりたかったんですよ」
ギャラが入ったら、結婚費用に充てたい。
モデル仲間に「アナタが話していたAV女優の話、詳しく聞いてみたいんだけど――」と連絡すると、その1週間後にAVメーカーの関係者に会うことになった。
「監督さんやプロデューサーの人たちは親切で、ほんと、モデルクラブのスタッフより礼儀正しいぐらいなんです。“出演することになったら、どんなセックスをしたいですか?”と聞かれたので、“バックとか3人でするセックスとかしたいです”と答えました。私、夫とのセックスのときいつも攻める側でしょう? だから男性に私を求めてもらいたい、むちゃくちゃにしてもらいたいって気持ちが強いんですね」
ちょっと怖かったのは、夫バレ、町内バレ(!?)はもちろんだが、夫のお父さんにAV出演がバレないかということだった。
「夫のお父さんは“堅い”お仕事をだから、もしバレたら大変だなって思って」
だが、その一方で、新しい経験をしたい、今まで味わったことないセックスをしたい、AV出演は若い今しかできない――こんな気持ちも心の中で渦巻いた。
出演話はトントン拍子に進み、今年1月、都内のホテルで初めて撮影することになった。
思わず「I'm coming!(イク!)」【熟女&人妻ドキュメンタリー】シゲモリ・アヤさん(30歳)の場合
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