このコーナーは長年「週刊大衆」の専属記者として夜の世界を中心に地を這う取材を行ってきた久慈修人が、これまでの記者人生で得た経験や思い出、そして今現在気がついたことを徒然なるままに呟く独り言です。ネタ元が主に週刊大衆ということもあるため「都市伝説的な形式」でお送りさせていただいております。つまり、信じるか信じないかは読者の皆様次第です。思わず腰をぬかしてしまうような奇妙な話、懐かしいあの頃の話、目頭が熱くなるような感動的な話、そしてただのタワゴトなどその内容は多岐にわたっておりますが、同世代のベテラン記者の話は夕やけ大衆の読者の皆様にもきっと深い共感を与えることでしょう。ここでは肩と股間の力を抜いてお楽しみください。

編集長

【ドラマや映画で大人気の伊藤健太郎、最大の危機をいかにして乗り越えるのか？】

　10月29日、警視庁は自動車運転処罰法違反（過失運転致死傷）と道路交通法違反（ひき逃げ）の疑いで、俳優の伊藤健太郎（23）を逮捕した。10月28日の午後5時45分ごろ、都内の外苑西通りを車で走行中の伊藤がUターンした際、直進してきた2人乗りのバイクと衝突し、そのまま立ち去ってしまったのだ。

　事故直後に彼の車を追いかけた後続車のドライバーに説得され、数分後現場に戻ってきたという。110番通報も事故の目撃者が行っていた。バイクを運転していた男性は腕の打撲の軽傷。後ろに乗っていた女性は左足骨折と全身打撲の重傷を負った。

　30日午後8時すぎ、警視庁東京湾岸警察署から釈放された伊藤は「被害者の方々に一生かけて償っていきたい。どのように償っていくべきか、しっかりと向き合って考えていきたい」と謝罪。これがいわゆる「伊藤健太郎ひき逃げ事件」の顛末だ。

　当初、Kentaro名義でモデルとして活躍していた伊藤が、本格的にブレイクしたのは、2018年のドラマ『今日から俺は』（日本テレビ系）で髪の毛ツンツンの登場人物・伊藤真司を演じたのがきっかけ。同作は映画化もされ評判を呼んだ。

　伊藤の確かな演技力が評価されたのは、2019年後期のNHK朝ドラ『スカーレット』への出演。第18週からの登場なので、視聴者の前にお目見えしたのは2020年に入ってからだが、主人公・川原喜美子（戸田恵梨香）の息子・武志を演じた。白血病に冒され、苦悩する心理を繊細に表現して注目を集めた。最終回で亡くなるという展開に涙した視聴者も多いだろう。

　2020年上半期には「2020テレビCM急上昇ランキング」で１位となり、日経トレンディが選ぶ「今年の顔」にも選出された。ノリに乗っていた矢先の逮捕劇で、伊藤健太郎の将来は大きく変わってしまった。NHKは、12月放送予定だった夜の連続テレビ小説『うっちゃん』からの降板を発表、伊藤が出演していた『スカーレット』、『アシガール』などの配信を停止した。

　10月30日公開の映画『とんかつDJアゲ太郎』や11月6日公開の『十二単衣を着た悪魔』などは、そのまま公開されているが、客足に多大な影響を与えていることは確か。

　今後の芸能活動にも暗雲が垂れ込めた伊藤、自業自得とはいえ、この最大の危機をいかにして乗り越えていくのだろうか？

• （文）久慈修人『週刊大衆』専属記者。【Twitter】@SayEach
• （編集）スナイパー神津『週刊大衆』編集部員。【Blog】https://sniperkozu.com/