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【タクシードライバーの「破廉恥」乗務日誌】第4回「昼下がりの奥様が突然見せてきたもの」

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【タクシードライバーの「破廉恥」乗務日誌】第4回「昼下がりの奥様が突然見せてきたもの」

このコーナーは週刊大衆ベテラン記者の柚月怜氏が、街のタクシー運転手さんに乗客の破廉恥な行状をお伺いしたものです。タクシー運転手さんといえば、世の中で一番「街の事情に詳しい方々」といっても過言ではありません。新聞やテレビでは決して報じられない一般人たちの「ハシタナイ素顔」に腰を抜かしていただければ幸いです。なぜなら、この報告書には「真実」しかないのですから。

編集長
【被害ドライバー】
小山良一さん(仮名=61歳)。タクシー運転歴11年目。配送業を経て、50代で神奈川県にある中堅タクシー会社へ転職。2年前に妻と熟年離婚しており、現在は男やもめ暮らし。主に「たまプラーザ駅」周辺を付け待ち。趣味は登山と釣り。好きなAV女優は紗倉まな。

【昼下がりの奥様が突然見せてきたもの】

「普通なら嬉しいのかもしれませんけどね。私の場合、前の女房のことがあったから、正直、複雑な気持ちでもありましたね」

小山良一さんは2年前に離婚している。離婚理由については「私のせいです」と前置きしてから、

「好きな男が出来たみたいでね。女房は私よりも7歳下でしたが、当時、齢ですよ52(笑)。まぁ、よく貰ってくれる男がいたもんだし、元女房もやっぱりイイ女だったんだと思います。とにかく悪いのは私ですよ。もうかれこれ何年もろくに名前も呼んでいなかったし、アッチもすっかり枯れておりましたから」

自嘲気味に話すが、何があっても一度惚れた女のことは悪く言わない。温厚な人柄でありながらも、芯の部分は実に男らしいことがわかる。

そんな小山さんが話してくれたのは、妻との離婚が成立したばかりの頃のことだ。

今のように夏の盛りだった。

小山さんは『たまプラーザ駅』前に付け待ちをしていた。駅前には百貨店があり、昼下がりの時間帯となれば、近辺の奥様方が買い物やランチを楽しみにくるとあって、タクシーを利用することも多い。

「乗車してきたのは、女優の秋吉久美子さんに似た感じの美人でね。年齢は50代半ばぐらいかな。けだるそうな雰囲気に色気があって、私も変に緊張しましたね」

秋吉似はその冷たそうな美人といった見た目とは裏腹に、のっけから上機嫌で話しかけてきたという。

「行先は駅から結構離れた場所にある歯科医院でしたね。車で20分はかかるところです。秋吉さんに似た女性はこちらが聞いてもいないの、そこの歯科医がダンディーな中年男性で恰好いいとか、口の中を見られていると恥ずかしいのにドキドキしちゃうなんて言っていましたね。左手の薬指に指輪をしていたので、人妻だと思います」

おそらく旦那には言えない秘密のトキメキを、タクシー運転手に聞いてもらいたかったのだろう。小山さんもお客様に気持ちよく乗車してもらうため、「いやあ、お客さんのような美しい方にそんなふうに思われている歯医者さんが羨ましいですよ~」と、話を合わせていたという。

「そんなふうに会話をしていたら、秋吉さん似はさらに機嫌がよくなられてみたいで。さらに饒舌になられたんです。その歯医者さんは真面目そうに見えるけど絶対スケベだと思うとか、あれは何だっけ……。そう、宮地真緒さん主演の『失恋殺人』という映画で、歯医者さんと人妻が病院内で不倫する濡れ場があるそうで。それを彼女はレンタルDVDで何度も借りてみてしまっているとか(笑)」

白昼からタクシーの車内でエロ妄想を炸裂させる美熟女。車が歯科医院に近づくほど、彼女は落ち着きがなくなり、キャピキャピと楽しそうに下ネタを喋っていたそうだ。

そして、信号待ちに差し掛かった時。秋吉似は信じられない行動を取ったのだ。

「そうだ、運転手さん。ちょっと見てもらいたいんだけど」

秋吉似は言いながら、先ほど駅前デパートで買った何かを紙袋から取り出そうとした。

「これ、なんだけど。いつか彼に抱かれる時のために買ったんですよ。でね、正直な男の人の意見として聞かせて欲しいんだけど、どっちがセクシーだと思う?」

秋吉似が両手に掲げたのは、黒のガーターベルト付きショーツと、真っ赤で極小のビキニタイプの下着だった。

「いや、もうね。私なんか何十年も前から元女房以外の女性の下着なんか見ていなかったですからね。驚くも何も勝手に恥ずかしくなって、顔が熱くなりましたよ。どっちがセクシー? と聞かれても、どっちもドエロですし……何よりも、それなりにいい年の人妻があんな下着を昼間のデパートで買っていること自体、信じられなかったです」

小山さんは焦りに焦りつつ、「どっちも素敵だと思います」と答えたものの、

「どっちか選んでよ。運転手さんはどっちが好き? ほら、よく見て!」

秋吉似は運転中にも関わらず、下着をぐいぐい顔の前まで突き付けてくる始末。

「お客さん、危ないですから……」

黒と赤の下着を横目にちらつかせながら、懸命に訴える小山さん。

さすがに秋吉似も我に返ったのか、諦めて下着はひっこめたものの、

「今度はそれらの下着を自分の体に当てて、『似合うかしら?』とばかりに、ルームミラー越しにこっちに見せつけてくるんです。とにかく男の意見を聞きたいみたいでね。私も無視するわけにいかず、『自分としてはガーターベルトが……』と、恥ずかしい性癖を告白させられるハメに(笑)。とにかく私は妻と離婚したばかりでしたからね。もしかして、前の女房もこんなふうに夫以外の男のためにセクシーな下着を購入して、年甲斐もなく、ウキウキしていたのかもしれないと想像したら、なんともいえない気持ちになりましたよ」

こう語る小山さんだが、現在も『たまプラーザ駅』前で付け待ちをしながら、あの時の秋吉似がまた乗車してこないかと、若干心待ちにしているそうだ。

取材&記事:柚月怜(ゆづきれい)
20代の頃より「週刊大衆」の記者として、街の妖しい噂やエロスポットを中心に取材。官能作家として、著書『惑わせ天使』(双葉社刊)もある。
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