「２０２４年問題」という喫緊の課題に直面して、人手不足が深刻なお仕事。でも、その反面、オイシイ役得もある！？

　働き方改革関連法の施行により、今、さまざまな問題に直面している運送・物流業界。それが「2024年問題」だ。

「24年の4月から、自動車運転業務の年間の時間外労働の上限が960時間に制限されることになりました。もちろん、タクシードライバーも、その対象になります」（物流専門紙記者）

　そうなれば、タクシー不足は深刻な問題になる。

「コロナの影響もあり、ただでさえタクシー運転手はこの4年で約20％も減少しています。それに加えて今回の規制ですからね。　昨年に過疎地など限定で個人タクシーの運転手の上限年齢を75歳から80歳に引き上げたり、今年4月から、一般ドライバーが自家用車を使って有償で顧客を送迎するライドシェアを条件付きで認めたのも、それを補う苦肉の策です」（前同）

　タクシー業界を悩ませるのは人手不足だけではない。それが、“招かれざる乗客”の問題だ。本誌が関東近郊の運転手100人にアンケートを実施したところ、

「乗客の暴言暴力や傍若無人さにいらだったことがある」と答えた人は88％もいたのだが、中でも驚いたのは、「乗客のエッチな行状に出くわしたことがある」と答えた人が81％もいたことだ。密室の車内ではやりたい放題。タクシー運転手は桃色三昧をしまくる乗客にも手を焼いているのだ。

「5年も（タクシーに）乗っていたら、みんな、1回や2回は経験してるんじゃないかな。ほとんどが酔ったカップルなんですけど、たまに、そうでないお客さんもいて……」

　苦笑気味にこう言うのは、運転手歴7年の花沢さん（61・仮名=以下同）。

　花沢さんが、そんな現場に出くわしたのは、昨春のある日の午前10時頃のこと。客が乗ったのは都内の有名大学病院の前で、男女のカップルだったという。

「たぶん、夜勤明けの看護師だと思います。同じ場所で2～3回乗せた覚えのある女性だったので。でも、その日は男性と一緒で、車に乗ると体をピッタリ寄せて、男性が女性の乳房を触っているのがバックミラー越しに見えたんです。　女性が“んっ、ダメっ”なんていう声を出していたから、たぶん、下も触ってたんじゃないかな。運転席からは見えませんでしたが」

　そのうち女性の声が“あん、んんっ”という喘ぎ声に変わっていったのだとか。

「知り合いのナースに聞いたことがあるんですけど、夜勤明けの看護師さんはストレスもあって、疲れているのに妙に欲情するらしいんですよ（笑）」

　タクシーに乗るカップルもさまざまだ。一般企業を定年退職後にタクシー運転手になったという横井さん（63）は、不倫と思しき人妻と、そのツバメらしき若者を乗せたことがあるという。

「女性は40代後半から50代かな。電話で“今日は遅くなるから夕飯は、どこかですませて！”と話してましたから、たぶん人妻なんでしょうね」

　男性は20代そこそこ。後部座席で女性が男性のシャツの上から乳首を触り「私、このプチンとした男の人の乳首が好きなの」とか「あ、硬くなってきたぁ」なんて甘い声を出していたそうだ。

「あげくに“あら、ココも、すっごく硬くなってる”ですからね。もう、女房持ちの俺としては、“このバカ者！”って怒鳴りたくなりましたよ」

　だが、これらはまだ序の口。中には運転手に、わざと見せつけるカップル客もいるのだという。

　新宿で流すことが多い皆川さん（48）は、深夜に歌舞伎町から中目黒までカップルを乗せたことがあった。

　男性は40代半ばのサラリーマン風、スーツを着たOL風の女性は30代前半で、多部未華子に似た美人だったそうだ。

「真面目そうな、ごく普通の2人だったんですが、乗るとすぐに、男性が女性のおっぱいを手でムニョムニョし始めましてね。ミラー越しに私を見て“運転手さん、こいつ、見られるのが好きなんですよ”と、男性が話しかけてきたんです」

　皆川さんが何と答えていいか分からず黙っていると、四十男が多部未華子似のシャツの胸ボタンとブラジャーの前ホックを外し、「ほーら、運転手さんに生のおっぱいも見せてやれよ。ね、こいつ、乳首も立ってるでしょう？　感じてるんですよ」と、指先で乳首をピンピンと弾くように弄ぶ。

「女性も恥ずかしそうにするどころか、薄目を開けて切なそうに私を見るんですよ。本当に“見せたがり”だったんでしょうね。　私も運転しながら、ついチラチラと後ろに目がいって、中央分離帯にぶつけそうになりました。　運転手仲間に聞くと、見せたがりも意外と多いそうなんだけど……やめてほしいよね、危ないから」

　恥じらいの文化が定着する日本人ですら、こうなのだから、外国人はもっとすごい。コロナ禍が終わって外国人観光客が増えた昨今、観光タクシードライバーの認定証を持つ南谷さん（52）は、外国人観光客の対応に戸惑うことがあるという。

「今はスマホの翻訳アプリがあるので、言葉はどうにか対応できるんですけど、海外のお客さんは人前でキスしたり抱き合ったり、平気でするでしょ？　この間、渋谷から東京駅近くのホテルまで乗せたアメリカ人カップルなんかは、車内でキスを始めて。注意すべきか悩みましたよ」

　また、港区を流す寺田さん（49）は麻布で、西洋人の男性1人と若い女性2人を乗せたことがあった。

「女性2人がサービスたっぷりでね。車の中で男のズボンのジッパーを開けて、フェラチオし始めたんです。その音がまたジュパッ、ジュパッと大きくてね。　もう一人の女性は男性の手を取って、自分の下半身を触らせて“あ、あっ”なんて喘ぎ声を出し始めましてね。さすがに注意しようと思ったんですが、俺も、おっ勃ちましてね（笑）」

　タクシーという密室の後部座席で2人きり、他にいるのは寡黙で秘密厳守の運転手のみという状況で、男女がイチャイチャというのは考えられない話ではない。

　だが、最も驚いたのは、前出のアンケートで「異性の客から誘われたことがあるか」という質問に対し、18％が「経験あり」、「それとなく誘われたことはある」が11％という結果だ（前ページのグラフ参照）。

　つまり、なんと10人に3人の運転手が、乗客から誘われた経験があるというのだ。

「受けるかどうかはともかく、料金の代わりにって、冗談めかして言われることが多いんだけど、誰でもいいから手近な相手と、ってことなんでしょうかね」