――そもそもですけど、引退を決意した理由はなんですか？

「正直、女優になってやりたいことが思いつかなくなったんです。女優じゃなくてもできる仕事が増えてきて、いろんなことをやってみたい意識になって、そろそろ引退してもいいかなと思ったんです」

――10年前になにも知らない状態でアダルト業界に入り、ここまで続くと思っていましたか？

「思っていなかったです。特にデビュー当初は単体女優だったので月に1本だったんです。普段のバイトの傍ら、なんとなくやっていた感じだったので、『辞めたい時に辞めればいいでしょ』みたいな軽い気持ちでした。それが、ね～(笑)」

――それが人気が出ましたから(笑)。

「ありがたいことです」

――自分では言いにくいかもしれないですが、ここまで人気が出ると思っていましたか？

「思っていないです。そもそも自分に自信があるタイプではなくて、『なんで私が撮影やイベントに呼ばれるんだろう？』って思っていました」

――実は引退もしていますよね。いまだから言えることだと思いますが、なにか理由があったんですか？

「当時お付き合いをしていた方がいたんですけど、その人にバレて怒られたんです。当時は『辞めたい時に辞めよう』という気持ちもあったので、『彼氏が言うなら辞めちゃう』みたいなノリだったんです。でも、人から言われて辞めるくらいだったら10カ月も続かないよなって思い、その彼氏とは別れたんです。それで復帰しました」

――その時は彼氏よりもAVの方が楽しくなっていましたか？

「楽しいというか、本当にイヤなら1、2本で辞めていただろうなって思っていますし、AVを続けられたということはなにかあるんだろうなという思いもありました」

――最近は彼氏バレとか聞かないですよ。

「最近はこの業界自体がオープンですよね」

――いまの話は2013年らしくていい話です(笑)。

「時代を感じますね。ははは(笑)。9年も前だとそういう時代ですよね。あと、私は親バレもあったんです」

――親はちょっとキツいですよね。それは辞めざるを得ないです。復帰後は彼氏の足かせもなくなり、意識は変わりましたか？

「いや、あまり変わっていないです。でも、キカタン女優になり、いろんなメーカーさんに行くようになってからはバイトも辞めて気持ちは変わりました。もともと仕事の認識はありましたけど、さらにちゃんと1日を仕事として、みなさんと作り上げていく意識にはなりました」

――単体女優の時にそう思う人が多いと思うんです。逆にキカタン女優になってから、仕事に対する思いがさらに強くなったんですか？

「そうです」