芸術といえば女体、スポーツといえばセックス、読書といえばエロ本……。私の考えすぎかもしれませんが、秋の風物詩というものは妙にエロとの繋がりが強いような気がします。

　でも「食欲の秋」だけは別格で、エロとはまったく無関係だと思っていました。あのオジサマとテレHするまでは……。

　その方は、妙に古風な話し方をする人でした。

　古風と一言で言っても、うまく説明できませんが、たとえば私に対して「君」と言ったり、言葉の最後に「してくれ給え」と付けたりと、まるで大正時代か昭和初期の人のような言葉遣いをするんです。

　会話の内容も、趣味の音楽（クラシック）の話をしたり、芸術の話（中世ヨーロッパのルネサンス？）など、エロとはかけ離れたものでした。

「君、ショパンはいいよ。もし聴いたことがないのであれば一度、聴いてみてくれ給え」

　あんまりにも、このような話が続くので、もしかしたらテレHの『VIP倶楽部』ではなくて、文化芸術関連の『VIP系』に間違えて電話してしまったのではないかと、私がだんだん不安になり始めた頃、オジサマが突然、こんなことを言い始めたんです。

「君、電話口で何か食べてくれ給え」

　一瞬、何を言われているかわからなくて絶句していると、オジサマはさらに私を急かします。

「僕はね、女性が何かを食べている音を聞くと異常に興奮するんだよ。すでに僕のイチモツは準備万端だ。早く冷蔵庫でも菓子蔵にでも行って、ゴボウでも煎餅でもなんでも良いから音の出る食べ物を持ってきてくれ給え。あれ？　ここは『そういうこと』をするところだよね？」

　えええっ？　そういうことってどういうこと？　つまりこの人は音楽や芸術の話をしながら自分だけ勝手にチ○コを大きくしていたってことですか？　でもって、フィニッシュは女性が「物を食う音」だなんて、コイツいままでに見たこともない新種の変態じゃん。

　そうとわかれば善は急げで私は電話口でキュウリをポリポリ、煎餅をパリパリ。するとオジサマったら「ルネッサーンス」と髭男爵のような雄叫びを上げながらイってしまいました。

　不思議なのはオジサマとのテレHが終わった後に私のアソコがぐっしょりと濡れていたこと。食欲の秋もエロに通じるんですね。これだからテレHはやめられません。

【今週の怪人さん出没ダイヤル】

「VIP倶楽部」

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