秋になると、みだりに人肌が恋しくなるって言いますが、私の場合のソレは変態です。

　実際、この季節になると「妙なキノコでも食べたのかしら」と疑いたくなるほど変態チックな男性に心がときめいてしまうんです。

　たとえば黄昏時の商店街。いつもの私なら、帰宅途中のイケメンサラリーマンを眺めたり、爽やかな笑顔の鮮魚店のお兄さんとの触れ合いに、胸をキュンキュンさせているんですが、今は違います。

　同じ商店街でも、青果店で大根や玉ねぎを執拗なまでに吟味している妖しいオジサンなんかに心を奪われてしまうんです。

　そんな心理状態の私ですからテレHも普段とは違う感傷的な気分に浸りがち。電話口から聞こえてくる変態たちの囁きも、まるで秋の蟲の声のようで趣深いことこのうえありません。

　しかしこの秋、そんな私でさえも、これまでのテレHの常識が変わってしまうほどキョーレツな変態と巡り会ってしまいました。

　なんと、その方は秋の夜長に自分がテレHをする姿を見ず知らずの他人に覗かせているというのです。

　ちなみにその方は、声の感じからして、おそらく50代くらい。なんでも昨年、奥さんと子供に出ていかれてしまったそうで、今は寂しさを紛らわすためにテレHにハマっているとのことでした。

　で、どうやって赤の他人に自分の痴態を覗かせているかというと、こともあろうにテレHの最中に、部屋の電気を煌々とつけてカーテンを開けたまま、向かいのマンションに向けて、親の仇のようにペニスをシゴいているというのです。

　これには変態愛好家の私も愕然。だって、もし向かいのマンションの住人が、風流にも中秋の名月を鑑賞して、ふと下を見たら、とんでもない秋の蟲が丸出しにした股間をせわしなく動かしているんですよ。

　しかも、それを50のオッサンが、やらかしているというのですから、タダゴトではありません。ここまでくると、変態を通り越して犯罪です。なぜ奥さんが出て行ったのか、わかるような気がします。

　さらに、そんな変態と接したからでしょうか。私の中に変な衝動まで芽生えてしまいました。

　それは、私がテレHの最中にカーテンを開けたままにしたらどうなるのかという誘惑。実は私の家の前にもあるんですよね。大きなマンションが。最近はソレを妄想しただけで濡れてきてしまうので困ってます。

【今週の怪人さん出没ダイヤル】

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