朝ドラ女優同士でキス＆愛撫

　その樋口と『卍』で絡んだのが、朝ドラ『いちばん星』（77年）でヒロインを演じた高瀬春奈（67）だ。

　日本の流行歌手第一号といわれる佐藤千夜子の半生を描いたこのドラマ。高瀬が体調不良で降板するというアクシデントもあった。

「この人は、若い頃から年増っぽいというか、太り肉だったせいもあって、成熟した女の色気を漂わせてましたね。『卍』で華奢な体つきの樋口と肉厚ボディの高瀬が抱き合ってキスを交わし、白いパンティの上から互いの股間を指で刺激し合う姿は、妖しくもエロい名場面でした」（下関氏）

　同じ83年には日活ロマンポルノ『武蔵野心中』に出演。翌84年に映画『お葬式』で、喪服の高瀬の裾をまくった山崎努がデカ尻を抱え、バックでイタす青姦シーンもインパクト大だった。ともあれ、こと濡れ場に関しては、樋口可南子が質量ともに一歩リードと言うべきか。

　ＮＨＫの朝ドラでヒロイを演じた女優が、民放の連ドラの主役級女優に成長するケースも少なくない。朝ドラは女優の登竜門なのだ。

　現に４月クールの民放ドラマには、３人の朝ドラヒロインが主演しているのだ。

　作家で作詞家の故・なかにし礼氏の妻の姉妹と、その家族をモデルにしたＮＨＫの朝ドラ『てるてる家族』（２００３年）でヒロインを演じた石原さとみ（34）は、放送中の『恋はＤｅｅｐに』（日本テレビ系）に主演。『ひよっこ』（17年）で茨城の農村から東京に集団就職した主人公を演じた有村架純（28）も、『コントが始まる』（日本テレビ系）でヒロインのファミレス店員を演じている。

　また、『なつぞら』（19年）で終戦後、アニメーターを目指して北海道から上京するヒロインの戦災孤児を演じた広瀬すず（22）も、『ネメシス』（日本テレビ系）でヒロインの私立探偵助手を演じている。