このコーナーは伝説のアダルトライターである舐達磨親方に、古き良き「あの頃のアダルト」を回想していただくものです。昭和、平成、令和の「男女の愛欲」を取材し続けてきた親方は、まさに歩く伝説。中高年読者の皆様も、若かりし頃にタイムスリップした気持ちでお楽しみください。

編集長より。

【ストリップはエスカレートしすぎて･･･の巻】

　ストップ劇場ってのが全国各地に点在した全盛期というのは、やはりフーゾク全盛期と重なる1970年代半ばから90年代。いまじゃすっかり軒数が減ってしまったけど、エスカレートし続けてどこも大入り満員の大盛況だった。

　最も過激だったのが、いわゆる本番生板ショーってやつ。つまり舞台の上のストリッパーが「ハイ！　どなたかが舞台に上がりますかぁ？」と声をかけると、「ハイハイハイハイ！」なんて客席の客の手がいっせいに上がる。

　でまぁ選ばれた客が舞台に上がりススッポンポンになって観客の前で堂々とエッチをするのであります。オシボリでチ○チ○をフキフキされて、手のシコシコで勃起させられるとお股に誘導して（スキン装着後）ハメるわけです。それをみんなが食い入るように見守って、発射すると終了。

　再度フキフキされてから「ハイ次の人！」となるわけですな。ワシはひたすら見るばっかりでしたが、（だいたい大勢に見られてちゃ勃起しないしねぇ）ある時ふと見ると、偶然にもワシの友人が舞台に上がったんです。見ればちょいと酒が入ってたらしく、ノリノリでエッチしておりました。まさか知り合いのケツの動きを見せられるとは！　いやぁ驚きましたよマジで。

　こういう生板ショーが全国で流行って、その行く末が今現在の衰退期を迎えることになるわけです。当時5000円くらいでしたね。

　そのちょっと前は真面目に様々なアイデアと工夫をこらしたショーがメインでしたよ。ただアソコをご開帳して「どーぞ！」じゃなくて、そうそう空中ストリップってのもやってましたよ。劇場の天井から吊らされた透明のガラス張りのゴンドラに女のコが乗って踊りを見せたり、客と一緒に乗り込んでオッパイやお股を触らせたり。

　見上げる観客はそのゴージャス感に喝采を送ったものです。なにしろゴンドラを天井から吊せば、かかるコストも莫大ですからね。

　それと、フーゾク全盛期だったせいもあってソープランドを舞台で再現するってのもやってましたねぇ。水槽にスケベ椅子、マットなんか置いちゃって。まぁこれが結局は本番生板につながるわけですから、エスカレートも考えもんですよ。モロに見せるのよりやっぱり勿体ぶらなきゃあね。

【舐達磨親方プロフィール】

1952年、山口県岩国市生まれ。夜の世界のフリーライターとして、新聞や雑誌で数多くの男女の物語を紡ぐ。中でも独特の風俗体験ルポは絶大の人気を博す。