このコーナーは伝説のアダルトライターである舐達磨親方に、古き良き「あの頃のアダルト」を回想していただくものです。昭和、平成、令和の「男女の愛欲」を取材し続けてきた親方は、まさに歩く伝説。中高年読者の皆様も、若かりし頃にタイムスリップした気持ちでお楽しみください。

編集長より。

【一時の盛り上がり。エロエロのプロレスとかボクシングとか】の巻

　泥んこプロレス、略して「泥レス」ってのが流行った時期がありました。1980年代前半の頃にビニールが敷かれ、囲いがあって地べたにリングが作られていて、そこで女のコ２人が闘うのです。入場料は確かドリンク１杯付きで3000円から4000円くらいだったと思います。

　このアイデアはアメリカからの輸入で、「カリフォルニア・ドールズ」という映画でこの泥レスのシーンが登場したからです。ロバート・アルドリッチ監督、ピーターフォーク主演の映画で、売れない女性プロレスラーコンビがドサ廻りをしながらチャンピオンになるというサクセスストーリーですな。

　最初はＴシャツ下着姿で、くんずほぐれずの泥んこまみれが、やがてオッパイ丸出しショーツもやぶれスッポンポン。でも泥まみれだからよく見えません。

　でも明らかにスッポンﾎﾟﾝの全裸ですから客はもう食い入りように魅入っております。この泥レスの他に、ボクシングも登場します。女のコ２人はヘッドギアに大きなグラブをつけて闘います。

　女のコはタンクトップにトランクス姿で、殴り合ううちにタンクトップからオッパイがこぼれ、客はヤンヤヤンヤの拍手喝采。でもやっぱり泥レスの人気には勝てませんでした。エロ度で負けていましたからねぇ。エッチなイベントには寝技が必要だったんでしょうねぇ。

　当時はビアガーデンってのが夏場はどこのデパートの屋上に出来て、大ジョッキで盛んに行われたのがこのボクシングでしたが、夏場が終わるとブームも去ってしまいました。

　泥レスのほうはまだ息が長かったとはいえ、この格闘技系スケベフーゾクは、あっという間に消えてしまいます。でもねぇ、いま思うと、もっと色々やって欲しかったなぁ。例えば全裸水泳競技とか、スケスケ柔道着を身にまとった柔道とかね。柔道着って、たいがい胸がはだけるからオッパイも見えるし、全裸で組み立て体操とか……、やるわけないか。

【舐達磨親方プロフィール】

1952年、山口県岩国市生まれ。夜の世界のフリーライターとして、新聞や雑誌で数多くの男女の物語を紡ぐ。中でも独特の風俗体験ルポは絶大の人気を博す。