このコーナーは伝説のアダルトライターである舐達磨親方に、古き良き「あの頃のアダルト」を回想していただくものです。昭和、平成、令和の「男女の愛欲」を取材し続けてきた親方は、まさに歩く伝説。中高年読者の皆様も、若かりし頃にタイムスリップした気持ちでお楽しみください。

編集長より。

【タイでチン取材ツアーその３の巻】

　バンコクから少し遠出するのもいいかも知れないってんでワシらはカ・チョンの案内でパタヤビーチへ向かいました。わずか２時間くらいの移動でしたが、途中でとんでもないアクシデントがありました。

　それがなんと運転席のフロントガラスがバリバリって割れちゃったんです。おそらく前を走っていたクルマが石コロを弾いちゃったんでしょう。後部座席に乗っていたワシには被害は無かったんだけど、助手席に乗っていたＴ氏は被害を被ったのでした。でも幸いにもカメラを構えていたので顔にはケガは無く、ただ腕に少し傷を負ったくらいで済みました。ホントへたしたら大ケガをするところでした。

　まぁなんとかパタヤビーチに着いて、夕暮れ時まで時間があるってんで、カチョンが「船をチャーターしてピストルをぶっぱなしましょう」とワシらを誘うのでした。

　つまり小さな客船といってもわりと豪華な船で沖に出て、海に浮かべた瓶を何種類かのピストルで撃ちまくるのです。これがよく命中して割れるんですよ。本物のピストルなんて初めて撃つのに。

　それにしてもトンデモないっすよね海を汚しちゃって。バカなことをやって、これだけで20万円くらいは使っちゃいました。

　さて夕方になると、当然のようにバンコク同様、とはいえ割と小規模なひな壇の売春クラブへ向かいます。その途中、海岸近くのメインストリートを歩いていると、これが妖しいオープンカフェならぬオープンバーが並んでいて、見ればケバイおネェちゃんと白人のスケベそうな男が酒を飲んでいます。

　おそらく売春クラブからお持ち帰りして、ホテルへ行く前に一杯飲ってんでしょう。それにしても何故か日本人を全然見かけません。白人の男たちってみんな大柄でしかも悪そうな顔の奴ばっかり。

　ワシもＴ氏もその中に入って行けず、ただ素通りするだけです。まぁＴ氏はお酒飲めないし、ひたすらゴソゴソとシャッターを切っておりました。

　というわけでワシは売春クラブのひな壇のおネぇちゃんの中から可愛いコをチョイスしてホテルに入ったのです。セックスの内容？　これがねぇ、意外とノーマルなんですよ。大人しいセックス。まるで新婚初夜を迎えて、ソフトなチューから優しく抱き合い正常位。昨今の日本のフーゾクのコと違い、積極的にしかけるくるコはほとんど無かったのです。

【舐達磨親方プロフィール】

1952年、山口県岩国市生まれ。夜の世界のフリーライターとして、新聞や雑誌で数多くの男女の物語を紡ぐ。中でも独特の風俗体験ルポは絶大の人気を博す。