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【タクシードライバーの「破廉恥」乗務日誌】第7回「首都高をぐるぐる回ってくれ!」

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【タクシードライバーの「破廉恥」乗務日誌】第7回「首都高をぐるぐる回ってくれ!」

このコーナーは週刊大衆ベテラン記者の柚月怜氏が、街のタクシー運転手さんに乗客の破廉恥な行状をお伺いしたものです。タクシー運転手さんといえば、世の中で一番「街の事情に詳しい方々」といっても過言ではありません。新聞やテレビでは決して報じられない一般人たちの「ハシタナイ素顔」に腰を抜かしていただければ幸いです。なぜなら、この報告書には「真実」しかないのですから。

編集長
【被害ドライバー】
尾崎幸隆さん(65歳=仮名)。この道40年になるベテランのタクシードライバー。東京都内の住所はカーナビいらずで、完全掌握していることが自慢の一つ。主に新宿区を流している。家族構成は妻と息子3人で、現在は息子たちも独立して妻と2人暮らし。趣味はカラオケ。好きな女優は、綾瀬はるか。

『首都高をぐるぐる回ってくれ!』

「一昔前は深夜に酔っぱらった男女を乗せると、きまって男のほうが『な、いいだろ?』みたいに誘っていたんだけどね~」

タクシー運転手歴が40年になる尾崎さんは、これまで数えきれないほどの男と女の愛のやり取りを目撃してきた。

「ただ……最近は違うんですね~」

少し言い淀みながら、まずは、こんなエピソードを語ってくれた。

「もう10年ほど前です。深夜の池袋で50代ぐらいの男性と、20代半ばの水商売ふうの女性を乗せたんです。明らかに男のほうは女性を狙っているけど、女性のほうは早く帰りたい様子。とりえず、調布にある女性の自宅まで送ることになり、首都高に入ったんですね」

首都高を走っていると、男はますます発情状態に。女性の手を握ろうとしたり、耳元で何かを囁いたりと、懸命に口説いていた。しかし、女性は頑なに拒否。そのうち業を煮やした男はトンデモない行動に出た。

「財布から2~3枚の万札を出して、女性に半ば無理やり手渡そうとするんです。要は、お金を払うからヤラせてくれ、という意味ですね。で、女性の様子をバックミラー越しに見ると、さっきとはうってかわって、まんざらでもない感じになっていたんです」

ただ、会話を聞いていると、女性はどうしても自分の家に男を入れたくないようだった。

すると、男は、

「運転手さん、首都高を適当にぐるぐる回ってくれ」

と言ってきたのだ。

尾崎さんが続ける。

「女性も納得しているみたいだったので、とりあえず言われた通り、首都高を周回することにしたんです」

その理由を理解するまで、そう時間はかからなかった。

「後部座席で二人がイチャつき始めたんですよ。キスはおろか、男のほうは女性の胸も揉み、女性も男の股間を弄りだして。首都高をぐるぐる回らせて、タクシーをラブホ代わりにしだしたんです」

注意しようか迷ったが、首都高を回っていればメーターはどんどん上がるので、放っておくことにした。

これが10年ほど前の話だ。

そしてこの夏のこと。深夜の池袋駅前で、30代半ばと思えるOLふうと、40代の会社員男性を乗せた。

「2人ともかなり酔っぱらっていましたが、恋人同士という雰囲気ではなかったです。女性の家が調布だったので、まずはそっちに向かって欲しいと男性に言われました」

首都高に乗ると、後部座席で怪しい会話が始まった。

「最初は男が誘っているのかと思いましたよ。でも、違った。女性のほうが『ね、いいじゃん』って、自分の家に誘おうとしていたんです」

対して、男は「今日はもう遅いから」と遠回しに断っていたという。

すると、ビックリ!

「ねえ、運転手さん、首都高を適当にぐるぐる回って」

と言ってきたのは、OLのほう。

「いやあ、驚きましたよ。10年ほど前にも同じことがあったけど、今回は逆で、女性が言ってきたんです。で、戸惑っている男を襲うようにキスをしたり、股間を弄ったりし始めたんです」

なんともはや……いまや女性のほうが積極的で、タクシーをラブホ代わりに使う時代になっていたのだ。

「男性がちょっと可哀想でしたね。タクシーの車内だから逃げ場もなく、かといって相手は年下の女性。全力で拒否もできないみたいで、やられるがまま。ズボンのチャックからアレを取り出されて、口で吸引されていましたよ」

さすがに注意しようかと思ったものの、

「まあ、どんどんメーターは上がりますからね。座席を汚されなければ、いいかなっと。実際、女性はちゃんと口で受け止めていました(笑)」

この道40年ともなれば、この程度のことでは動揺しないようだ。

取材&記事:柚月怜(ゆづきれい)
20代の頃より「週刊大衆」の記者として、街の妖しい噂やエロスポットを中心に取材。官能作家として、著書『惑わせ天使』(双葉社刊)もある。
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