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「山本カントクと二人の名優」山本晋也カントクの桃色青春伝 第7回

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「山本カントクと二人の名優」山本晋也カントクの桃色青春伝 第7回

ご存じ、山本晋也カントクが青春時代を赤裸々に語る連載の第7回! 今回は山本カントクが演出をしたドラマや劇場用作品を支えた役者のお話。いずれ劣らぬ名優の知られざるエピソードを大公開します!!

先月、赤塚不二夫先生を中心とした面白グループに、無名時代の柄本明を連れて行ったと書いた。なぜ、そのときすでに柄本っちゃんを知っていたかというと、当時のオレは映画に出てくれるイイ役者がいないものかと、若手のアングラ劇団の公演なんかをマメに観て回ってたんだな。イッセー尾形も、そんなふうに知り合った旧友だ。渋谷の「ジァンジァン」という小劇場で唯一無二の一人芝居をやってた。やはり無名だったが、「コイツはスゴイ役者だ!」と、ひと目見て思ったね。

同じ頃、1980年代の半ば。オレはもうピンク映画監督ではなく、『トゥナイト』の風俗リポーターとして知られていたが、日本テレビに後藤達彦さんという稀代の名プロデューサーがいてね。あの『11PM』を立ち上げた人であり、プロ野球中継で十数台のカメラをスイッチングして使うシステムを日本で初めて作った、伝説のテレビマンだ。

そんな後藤さんを囲んで毎週金曜の夜、酒でも飲んで世間話をしようという会をやってたんだな。メンバーの一人には安部譲二もいた。まだ作家になる前だったが、話が実に面白かった。当然だよな、後にそのエピソードをまとめた『塀の中の懲りない面々』が大ベストセラーになるんだから。で、ある日、その仲間内で「テレビドラマを作ろうか」なんて話になった。そこで安部さんに「なんか面白い話ない? 普通ならドラマになんかならないセコイ泥棒の話なんてのがイイんだが」と言ったら、「ある、ピッタリのがあるよ!」と。
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