長澤まさみ（35）がTシャツの上から男に巨乳を揉みしだかれ、男にコップの水を口移しで飲ませるシーンが話題になったのは、映画『モテキ』（11年）。

　主人公のさえない青年（森山未來）が、突然、モテ期を迎え、美女が群がるという、男には夢のようなストーリーが繰り広げられる。

　長澤が演じる雑誌編集者も、そんな美女の一人だ。

「この映画の彼女は彼氏がいるのに、根暗な主人公にグイグイ迫るビッチな役柄。　座ってる男に自分からキスしたり、口移しで水を飲ませてから“おいしい？”って笑いながら聞いたりする、一見、蓮っ葉な女の子ですが、私には、本当はドキドキしてるのに、照れ隠しに、そうしているように見えました」

　と、八木さんが続ける。

「私も撮影で唾液交換とか飲み物の口移しを、よくやるので分かるんですが、口移しって難しいんですよ。　唇が密着しないと液体がこぼれるし、勢いがよすぎるとむせちゃう。うまく口移しするにはベロで蓋をしたり慎重にやる必要があるんです。映画でうまくやっていた長澤さんのキステクは、すごいと思います！」

　劇場公開もされたWOWOWオリジナルドラマ『前科者～新米保護司・阿川佳代～』（21年）で、犯罪歴のある前科者のケアをする保護司にふんした有村架純（30）は、幼なじみの恋人（磯村勇斗）とのキスシーンを披露している。

「眼鏡をかけた堅物ヒロインを演じた有村が、おずおずと男とキスをする風情が昭和っぽくて萌えました。　相手役の磯村は、彼女が主演したNHKの朝ドラ『ひよっこ』（17年）でも夫婦役を演じた間柄。なので、彼女も安心してキスに没頭することができたんじゃないかな」（下関氏）

　昭和の匂いという意味では、過去に何度も映画化、ドラマ化された松本清張原作のミステリー『ゼロの焦点』（09年）に主演した広末涼子（42）のキスシーンも、昭和らしさ全開だった。

　戦後の混乱が収まりかけた昭和30年代。広末演じるヒロインは広告代理店勤務の夫（西島秀俊）と見合い結婚したが、夫は新婚ほどなく地方に出張。そのまま行方不明になってしまう。

　夫の失踪の真相を探るうちに、妻の広末は、夫が隠していた過去の秘密を知ることになる……。

「広末のキスシーンは回想シーンで登場します。新婚初夜、一緒に入浴した彼女に向かって、“意外に胸が豊かなんだね”と声をかけた夫が、恥じらう彼女にキスするんです」（前出の芸能記者）

　見合い結婚が多かった当時の世相を反映した、キスシーンと言えるだろう。

　鈴木京香（54）ふんするバツイチ、子持ちの出版プロデューサーが、長谷川博己演じる妻あるキャリア官僚と禁断の恋に落ちるのは、連ドラ『セカンドバージン』（NHK総合・10年）。

　同ドラマは翌年、新たに製作された劇場版が公開されるヒット作になった。

「20年前に離婚して男を絶っていた京香が、年下の長谷川の肉体に溺れていく姿にはリアリティがあった。　劇場版では、ベッドで男に唇を奪われた彼女が“イヤ、ダメ、許して”と抗いながらも次第に息を荒くして、気がつけば黒のキャミソール一枚で長谷川に馬乗りになっていた、なんて場面もありました」（秋本氏）

　映画『愛のむきだし』（09年）は、若き日の安藤サクラ（37）と満島ひかり（37）がベロチューするシーンが話題になった異色作。

「満島ふんするヒロインの奔放な女子高生が、安藤演じる同級生とじゃれ合ううちに本気になって舌を絡ませたり、安藤がセーラー服の満島をベッドに押し倒して彼女のパンティの中に指を突っ込んだりするんですよ。2人のイッちゃった演技は圧巻でした」（下関氏）

　自分を慕う満島に、安藤は「舌出して」と命令。おずおずと舌を出すと、「かんであげる」と安藤は満島の舌をハムハムと味わう。「痛くない？」と聞かれると「ん～ん」と甘い声を上げる満島。2人のキスはさらに加速し、お互いの舌を味わうようにクチュッと音を立てながら抜き差しする。

　実生活では女性同士は苦手という前出の綾瀬さんも、

「2人のキスと濡れ場を見ていたら正直“面白そう”って思いました。2人の秘めた情熱というか、エロさがビンビン響いてくる。キスのときの表情もすごくイヤらしくて、ステキでした」

　やっぱりキスはセックスの基本なのだ！