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- 剛腕山岡プロフィール
- 1959年8月、愛媛県生まれ。高知県立追手前高校卒。1浪して上京し、神奈川大学法学部入学。卒業後、法政大学大学院人文科学研究科日本史学(近・現代史)修士課程に進むも中退。零細編集プロダクションに2年半在籍し、29歳よりフリーに。91年1月より『週刊大衆』の専属記者を務めながら、『噂の真相』、『財界展望』などを中心に記事執筆。主な著書に『誰も書かなかったアムウェイ』、『アムウェイ商法を告発する』(以上、あっぷる出版社)、『銀バエー実録武富士盗聴事件ー』(創出版)、『福島第一原発潜入記 高濃度汚染現場と作業員の真実』(双葉社)などがある。
【安倍晋三首相辞意表明の裏で…膵臓がん生死を分ける病院選び】
8月28日に辞意を表明した安倍首相。持病の潰瘍性大腸炎悪化が原因だったが、一時は膵臓がん説も流布していた。膵臓はお腹の深いところに位置し、他の臓器や血管に囲まれているため、膵臓がんは発見が難しく、見つかった時は末期であることが大半。全がんのなかで最も致死率は高く、手術できない場合の1年生存率は10%とも。そのため、安倍首相も辞任どころか、命さえ危ないとの憶測さえ出ていた。
ところで、厚労省はどこにいても質の高い治療を受けれるように全国に「がん拠点病院」を指定しており、その数は402箇所(今年4月現在)。そのため、自宅近くにある拠点病院で治療を受ける方が多いが、より高度な技術を要する膵臓がん、それも末期とあってはその方法ではまず助からない。
「実は拠点病院でも技術格差が拡大していて、肺がんを例に5年生存率で見ると、最高の約70%に対し最も低いところは3%。末期の膵臓がんの場合、治療できないと断るところが多い一方で、コンバージョン手術といって、現状では転移しているため手術できないが、転移した早期のがんはあまり強力ではなく抗がん剤に弱い。そこで抗がん剤と放射線治療を併用し、転移先のがんは消滅させ、原発巣のがんだけに、それも縮小させた上で摘出手術を行うことをいいます。抗がん剤=副作用が高く効果もわずかというのは昔の話。現在では副作用が少なく効果が高い分子標的薬の登場に加え、感受性試験といって、どの抗がん剤が個々の患者に効くか、患者のがん細胞と抗がん剤を一緒に培養して確かめる方法もある。ただし、コンバージョン手術、感受性試験ができる病院は限られます」(専門家)
そういうわけで、どの病院を選ぶかがまさに患者の生死を分けることに。ただし、その見分け方は素人にできるものではない。前出・専門家によれば、ベテランの看護婦、がん患者や家族の会に聞くのが一番という。
- (文)山岡俊介『週刊大衆』専属記者。『アクセスジャーナル』編集長(https://access-journal.jp)【Twitter】@yama03024
- (編集)スナイパー神津『週刊大衆』編集部員。【Blog】https://sniperkozu.com/