ＰＡＲＴ.3日々の生活習慣の改善で強い下半身を取り戻そう！

ｐａｒｔ１で、ＥＤ患者の多くは、相手女性とセックスする際、“男らしく”うまくリードしなければならないと思っていて、その心理的プレッシャーが原因になっている、との識者の分析を紹介した。　前項では医者にかかっての治療法を紹介したが、自宅で日々の生活習慣を改善するだけでも、強い下半身を取り戻すことができるのを、ご存じだろうか。

　まずは前述のような心因性ＥＤについて。自身のペニスが正常なのか判断がつかず、もしやＥＤかも？　と感じている人に、ぜひやってもらいたい確認方法を、前出の清水氏に教えてもらった。

「心因性ＥＤの場合、機能的にはまったく問題ないわけです。ですから、まずは朝勃だ ちの有無を確かめましょう。　朝勃ちは、性的刺激とは関係ありませんが、最低３日に１度の頻度であるなら、ぺニスの血管に動脈硬化はないと言えます。それに加えて、性欲や精子の生成に関係するホルモンである、テストステロン不足もないわけです」　朝に自身のペニスを確認して、自信を持つことから始めよう。

　でも、自分は短小だから相手を満足させられない――そんな不安に駆られている読者諸兄も安心してほしい。「大きさと満足度はまったく関係ありません。女性は男性と違い、性器の合体行為と同等か、それ以上にキスやハグなどでも、オーガズムに達することがあり、愛情ホルモン、信頼ホルモンともいわれるオキシトシンが大量に分泌されることが分かっています。　ですから会話、スキンシップも重要なんです」（前同）

　そこで清水氏が勧めるのが、パートナーとの“カップルマッサージ”。　たまにはパートナーの肩や腰をマッサージしてあげよう。そうすれば、すっかりセックスレスのパートナーも、その気に。それとともに、あなたのペニスもムクムクと……

　その他、こんな態度も要注意だ。「前述の通り、高齢男性の場合、“年だから”、“めんどくさいから”と思い込み、性行為に消極的になってしまい、ＥＤのような状態になっている人も、少なくないんですね。セックスから遠ざかれば遠さかるほど興味が薄れ、ＥＤに。しかし、高望みさえしなければ、相手は見つかるし、いきなりの実践は敷居が高いと思うなら、ソープランドなどに出向いて、自信を取り戻すのも、いいと思います」（前出の前沢氏）

　では、一方の動脈硬化などによる器質性ＥＤは、どうか？　病気だけに、さすがに、こちらは病院で診てもらわないと無理だと思っている人がほとんどだろうが、病気の程度にもよっては、以下のような方法で改善することもあるという。　まず、清水氏が勧めるのが簡単なセックス筋体操。

「セックス筋は、骨盤の底をつなぐ恥骨から尾骨への筋肉の集合体で、正式には骨盤底筋と言います。男性で言えば、ぺニスと前立腺をしっかり支えています。　このセックス筋が収縮・弛緩する運動を持続的にすれば、ぺニスの血管に血液が流入して勃起し、同時にペニスの根元を手前に引っ張り上げてペニスを直立させてくれます」

　この体操でＥＤと勃起に必要な一酸化炭素の生成を促進し、さらにはセックス持続力まで強化できるのだ。　そのやり方だが、①背筋を伸ばして足を肩幅に開いて直立し、手を机や壁につく。②５秒間だけ肛門を締めて停止。今度は５秒かけて肛門を緩める。③この動作を10 回続けて行う。これを１セットとし、毎日３回行う。　簡単な動作でＥＤとオサラバできるなら、やらない手はないだろう。

　さらに意欲的な人にオススメなのが、スクワット。「スクワットはセックス筋に加え、お腹や背中まわりの筋肉、お尻、太もも、ふくらはぎなど、下半身の主要な筋肉を一度に鍛えられます。　これにより、筋肉量は増えますし、スクワット中に、男性の場合は筋肉からテストステロンが、副腎からはテストステロンの仲間であるＤＨＥＡも分泌され、性欲を高めます」（清水氏）

　おまけに、太ももの筋肉は、全身の筋肉総量の約70％を占める。その分、カロリーも消費する部位なので、続ければ基礎代謝量が増え、ダイエット効果もあるという。　また、肥満による生活習慣病で、動脈硬化が起こされることも。そうなると、最も細い血管が集まるぺニスが真っ先に悪い影響を受け、ＥＤにつながりかねない。男性更年期障害の一つの原因も、この動脈硬化にあるため、スクワットは、こちらの改善にも効果がある。一石二鳥を超える効果が期待できるのだ。