――いわゆるオーガズムというのは、どのように起こるんですか？

松村「体の反応としては、刺激を受けることによって、膣周りの筋肉が０・８秒間隔で収縮することで起こります」

――なるほど。女性がイッたときになる、ピクピクッてやつですね。でも、なぜ収縮するだけで気持ちよくなります？

松村「その収縮が、どう脳に伝わって快感に結びつくのかは、まだちょっとわからないんですよ。ただ、そのときに快感を表す脳波がバーッて出ているのは、わかっているんですけどね」

――女体の神秘ですね。では、どうすれば、その収縮を起こせるんでしょうか？

早乙女「それは刺激を与えるとき、つまりピストンのときに適切な温度、圧、リズムを加えることが重要なようなんです。もし、どれかがちょっとズレたら、なかなかイケません。むしろ痛くさえあります」

――要するに、男の体温と力加減とリズム、ですか？

早乙女「そうです。逆に言うと、それらの適切な数値がわかれば、女性は必ずイケる。また、どんな女性でも必ずイクことができる、最強のバイブレーターが作れるんです！」

――そ、それはスゴい！

早乙女「ちなみにタッチの快感も、同じだと考えられます。適切な温度、圧、リズムで性感帯を触れば、確実に気持ちよくなれます。ただ残念ながら、数値のデータがないので、実現は無理なんですよね。男性も、そんなバイブレーターができたら、困っちゃうんじゃないですか？」

――た、確かに……。では、そのオーガズムですが、年齢を重ねて熟女になると、より深くなるということはあるのでしょうか？

早乙女「単純に、加齢で神経繊維の反応が悪くなりますので、弱くなるでしょうね。ただ経験などで、そのぶんはカバーできるということはありますよ」

篠﨑「結局、人間は脳で感じるわけですから、やりとりや雰囲気、環境も大事ですからね」

――いわゆる性欲は？

松村「性欲は主に男性ホルモンが司っているんです。更年期を迎えると女性ホルモンは減少しますが、男性ホルモンはあまり減らないんですね。ですから、年齢を重ねて相対的に男性ホルモンの作用が強くなり、性欲が高まることは、よくあります。性交痛で、その気になれないということはありますが。一方、男性は、加齢で男性ホルモンの分泌は減りますから、性欲は衰えていってしまいます」

――年を取ると、女性のほうが元気になってしまうんですね。よく、生理が終わったあとの女性は発情しやすいといいますが、それもホルモンの影響ですか？

早乙女「そうです。月経が終わって１週間後ぐらいの排卵期と呼ばれる時期は、ホルモンの変化で、やる気満々になっています。いわゆる狩猟期ですね」

松村「自律神経も安定しているので、感度も高まります。逆に、生理前はイライラしていたり、体もむくんでいたりで、人によってはセックスどころでないので、うかつに誘わないほうがいいですよ」

快感から更年期まで、女性の体は何かとホルモンに左右されているようだ。