かたせ梨乃が唾液をおねだり

　一方、上の口でも下の口でもズボズボしまくるのが、平成流。97年の映画『身も心も』は、かたせ梨乃（64）と柄本明のカラミが強烈だ。

「濡れ場は５分以上。座位に始まり、正常位に屈曲位、うつ伏せバック、さらに彼女は、男の顔を太ももで挟み込んで、クンニもさせています」（同）

　屈曲位で柄本が奥深くまで挿入すると、前のめりになって、２人の顔が至近距離まで近づく。

「ハアハア、アアアッ！」

　吐息も荒ぶる彼女の唇に柄本が吸いつくと、「あふぅ！はあん、アぁ、んふ、んちゅぅ」

　かたせは犬のように大きく舌を出して、さらに唾液を欲しがる。

「キスは互いのエナジーを直接混じり合わせる行為。だから、中年の男女はキスを繰り返しながら延々と結合して、快感を楽しむ。シニアセックスのお手本的な濡れ場ですね」（吉村氏）

　むろん、唇を使った性交はキスだけに限らない。

　２０１７年の映画『彼女がその名を知らない鳥たち』で、蒼井優（36）はフェラチオまでしてみせた。

　相手は松坂桃李で、場所はライトアップされた大阪城が一望できる川沿い。

「してくれる？」

　松坂が囁くと、彼女はうなずき、しゃがんで“仁王立ちフェラ”に。蒼井は両手を松坂の太ももに置いて、ノーハンドでパクリ。

「このフェラの前に、ディープキスをするんです。このとき、蒼井は松坂の唇を舌で舐め回して、“チュパチュパ”という音を立てて、舌を滑らかに這いずり回らせる。続くフェラで、どうベロを使っているか分かりますね」（高杉氏）

　大島優子（33）が、デリヘル嬢役にふんした『生きちゃった』（20年）のフェラも激しい。ホテルのベッドで、スケスケのキャミソール姿の彼女が四つんばいになり、男（北村有起哉）の股間に顔を埋める。「んっ、んっ……んちゅ」

　注目すべきは頬。大島は、えくぼができるほど強く吸引しているのだ。見ているだけで男にはたまらない。

　また、フェラの舌使いが最もよく分かるのは、08年の映画『ＪＯＨＮＥＮ　定の愛』。平成のセックスシンボルこと杉本彩（53）の主演で、「男性器を“光”で見えなくするという際どすぎる手法を使っているんです」（前出の映画雑誌編集者）　

　彼女は長い舌で、光るペニスの側面から、ねっとり舐める。続いて舌を亀頭に這わせ、上目遣いで先端をパクリ。ところが、男（中山一也）が「ううっ」と喘ぐと、再び側面舐めに。

「このように生殺しの舌使いをする女性は、舌が性感帯。つまり、相手に奉仕するというより、自分が感じるために舌を巧みに這わせているんです」（吉村氏）

　一方、唇全体でフェラ奉仕するのが、五月みどり（82）。１９８３年の映画『ファイナル・スキャンダル　奥様はお固いのがお好き』では、下宿屋の女将役の彼女が童貞君を物置小屋に連れ込み、「あら、かわいいのね」

　とパンツを脱がせて、イキり勃った肉棒を咥くわえ込むと、唇で締めつけながら、顔を大きく左右に振るのだ。

　そんなダイナミックな“唇＆舌使い”もエロいが、「ねっとりした舐め方なら、橋本マナミ（37）が最強。２０１７年の『光』での、乳首舐めとフェラチオは秀逸のひと言です」（高杉氏）

　橋本が演じるのは、浮気している団地妻だ。昼間から、永山瑛太の住む安っぽいアパートの一室を訪れ、「のっけから永山のＴシャツをまくり上げて、乳首を吸うんです。チュッチュッと小鳥がついばむような音を立てながら、乳輪まで唾液で濡らすんです」（前同）

　男を喜ばせたい気持ちが込もった舌使いで、「唇の這わせ方がうまい。唇のプニプニとした柔らかさを見事に使った、まったり愛撫。テクニシャンです」

　と、吉村氏も絶賛する。

　彼女は、乳首舐めから徐々に下腹部へ舌を移動させて、フェラチオへ。

「ここでカメラは橋本のお尻側に回り込む。すると、パンツ越しにメコスジが透け、わずかに湿っているんです。これにはソソられました」（高杉氏）

　唇と舌で男に奉仕しながら、自分も欲情していた！

　まさに唇は“第二の性器”。スター女優たちの見えざる秘部が想像できてしまうのだから、今後、キスシーンから目が離せませんな。