警視庁保安課は１０月２０日、出会い系サイトなどを通じて客を募り、女性を派遣して売春させていたとして、売春防止法違反の容疑で、派遣型売春クラブの責任者と見られる栗木駿（25）、﨏川たいら（35）の２人と、２０～３０代の従業員の男ら計１２人を再逮捕した。９月末の同容疑での家宅捜索と逮捕に続くものだ。

　報道によれば、この派遣型売春クラブは都内５か所で経営し、年間２０億円以上を売り上げるほど人気を博していたという。　

「“本番”ができて、相場は２万円からと格安。それに相手してくれる女の子は、みんな２０代でした。仕組みとしては、出会い系サイトやＳＮＳなどでやりとりして、渋谷、新宿、池袋の路上で会うので、店舗型やデリヘル派遣のプロと違い、恋人感覚で遊べる。中には、本当に恋仲になったという話も聞きました」（事情通）

　客層は風俗遊びに飽きた者や、路上で出会うワクワク感にハマった若者が中心だったようだ。栗木容疑者の売春クラブを何度か利用したという都内在住の４０代男性は、こう言う。　

「中にはツンケンした子もいたけど、最後までできる。それに、やっぱり素人を抱けるのがいいね（笑）」

　実は、男性を誘う文面を出会い系サイトやマッチングアプリに投稿しているのは、「打ち子」と呼ばれる従業員たちだという。

　栗木容疑者はこの打ち子を８０人近く抱え、女性を装わせ、「セフレ探しています」「最近、彼氏と別れたばかり」「神求む」「サポ（サポート）募集」「諭吉さん２人で大丈夫ですか？」などと投稿させていたという。

　そこで客と値段やプレイ内容の交渉をする・・・・・・という流れ。派遣する女性も３０人以上抱えていたというから、大規模な「売春サークル」だったと言えよう。

　ちなみに、こういった援デリ（援助交際とデリバリーヘルスを合わせた造語）と呼ばれる業者は、数年前から存在していた。ツイッターで検索しても、２０１ページの下の画像のように、打ち子や女性を募集する誘いが簡単にヒットする。

「“ゴム１・５～”というのは売春価格が１万５０００円、これに対する打ち子の取り分が２５００円ということ。“雑費や余計な引かれ物なし”というのは、税金などで天引きされないということ。　こういった違法な仕事を募集するアカウントは、すぐに凍結されますが、雨後のタケノコのごとく、すぐに復活します」（ＳＮＳに詳しいライター）

　もちろん、この手のサービス業者は、風営法の許可を取っていない。　

「都内の５つの事務所で打ち子に指示を出していたようですが、派遣する女の子には事務所の場所さえ知らせていなかったとか。５か所ある事務所のうち２つは、栗木（渋谷区神宮前）、﨏川（同道玄坂）両容疑者の個人名義。打ち子を介在させることで、女の子に直接、客を勧誘させず、売春防止法の網をすり抜けようとしていたんです」（全国紙社会部記者）

　栗木容疑者の組織では、１か月の集客目標は５００人だったという。　

「打ち子を競わせ、２か月連続で５０人以下だとクビ。優秀な打ち子には、分配金をアップしていた。女の子の中には、１年間で２８００万円稼いだ子もいたそうです」（前同）

　巧妙にシステム化され、従業員も高収入を得ていたこの売春サークル。なぜ今回、摘発されたのか。　

「逮捕の契機ですが、女の子が客を殴ってしまい、殴られた男性が警察に訴え出たからです。どうも、落ち合う前に女の子が送って来た顔写真が別人のものだったようで、そのことを客がなじったため、暴力沙汰に発展したとか」（同）