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このコーナーは官能小説家の長月タケオ氏が一般の中高年読者から寄せられた「性の告白」をご紹介するものです。そこにはシニアである我々同世代が共鳴する「あの頃」の時代背景があり、実体験ならではの生々しい「性の現実」があります。懐かしくも妖艶な古き良き官能の世界をご賞味頂ければ幸いです。編集長
【母と同年代の年増娼婦】
K・K 59歳 大阪府在住
わたしの初体験はちょんの間だった。場所は大阪南部の信太山新地だ。
生まれ育った町には、「だんじり」と呼ばれる山車を曳く、全国でも有名な祭がある。高校1年から20代半ばまでは青年団に所属し、同い年同士がひとつのグループになって定められた役目をこなす。青年団には、その町の関係者でなくても入団は可能で、名高い祭りに参加したいがために、近隣市町から通ってくる連中もいた。
そこには中卒で電気工を仕事にしているものもいれば、近辺でも有名な不良工業高校の暴走族もいる。と思えば、軽く国立大学をねらえる進学校の優等生もいて、普通の高校に通う普通の学生だったわたしには、さまざまな世界を垣間見ることができた。
9月になれば半ばにはじまる祭りのために、毎晩、午後7時に町の会館へ集合し、寄付集めをしたり、だんじりや装飾品の整備をおこなったりする。その日、高校3年生だったわたしは、学校を中退して塗装工の見習いをしている友人と話をしていた。
「まだ、女抱いたことないんけ? それやったら女できたとき、いざやろと思て、やり方わかれへんかったら風悪いやろ」
「そうかなぁ」
「なあ、今日、なんぼ持ってる?」
「5000円かなぁ、バイトの給料出たし」
「わいも今日、給料日やったんや。足らんぶん出しちゃるさかい、山、行けへんか」
「山? 信太山?」
「そうや」
わたしはちゅうちょした。信太山のうわさは耳にしていたが、あまりりかんばしくない内容だったからだ。
「病気をうつされる」「とんでもないオバハンが出てくる」「慣れない男は適当にあしらわれ、ぼったくられる」などなど。
「そんなことないで、向こうも商売やさかい、病気はちゃんとしてる」
「そやけど、15分で終わりやろ」
「じゅうぶんや。わいら出るのん早いさかい、15分でも長いくらいや」
やりたい盛りの年ごろである。そして好奇心は強い。
何も、最愛の女性で童貞を失いたいなどという理想も持ち合わせていない。それどころか、なんでもいいから、極上の快感をあたえてくれるというセックスを体験してみたい。
「いまからでも間に合うんか?」
「お、行く気になったな」
友人は笑って肩を叩いてくれる。わたしは承諾したものの、いきなり不安にさいなまれはじめたのであった。
JR、当時の国鉄で3駅目。目的の駅に着くまで、友人は異常なくらい話し続けた。
もともと彼は、しゃべりな性格ではあったが、その日は普段以上だった。不審に思ったわたしはたずねてみる。
「お前もじつは、あんまり慣れてないんとちゃうん?」
「わかるか……」
図星だったようで、彼も先輩に連れられて信太山には1回しかいったことがないという。けれど、そのときのことが忘れられずに、だれかと一緒に、もう一度行きたかったことを彼は告げた。
駅に着き、目的の新地へ。わたしたち二人の風体は、だれが見ても未成年だ。だから、店頭に立つ客引きのオバサンも声をかけてこない。
それでも、先輩に連れてこられたという店に、友人は足を運んだ。店頭に立つと、おばさんは怪訝な顔で我々を見る。
「なんか用か?」
「な、なにいうてんねん、客やないか」
「ふ~ん。まあええわ、ちょうど空いてる子が二人いてるさかい」
オバサンは店の奥に声をかける。あらわれたのは、歳は若いが、わたしたち二人分の体重を足しても足りないくらい恰幅のいい女性。わたしはおどろき、一歩あとずさりする。すると、その女性は友人を見て満面の笑みを浮かべる。
「いやん、カワイイやん。ボク、いくつ?」
そういって女性は、友人の腕をむんずとつかんで、ドスドスと2階への階段を昇っていった。
わたしはそのまま逃げ出そうとも考えた。しかし、そうすれば明日から友人との関係にひびが入る。そう思った矢先、別の女性がわたしの前に姿をあらわした。
先ほどの女性ほどボリュームはなく、けれど、どう見ても歳は40代半ば。美人な顔立ちだが、わたしの母親と同年代だ。
「ふうん」
彼女はわたしを一瞥した。その視線に身体は硬直してしまう。
「まあ、ええわ」
彼女はそういってわたしを誘う。
ここまできたら覚悟を決めるまでだ。そう決心わたしは、ぎしぎしきしむ階段を昇っていったのであった。
「歳は」
「じゅ、18」
「18かぁ、エエのん、こんなとこ来て」
彼女は言う。
いいも悪いも、ここまで来たらしかたがない。そう思っていると、彼女は身につけているものを脱ぎだした。
「これ、つけてな」
取り出したのはコンドームだった。わたしは苦労しながら、なえた一物にはめようとする。
「なんや、元気ないなぁ。ひょっとして初めて?」
「は、はい……」
その言葉に、彼女の表情がやわらいだ。
「エエのん、ウチみたいな女と」
「それは、別に……」
「ふふ、わかった」
彼女は、わたしの手からコンドームを奪い取る。
「初めてやのに、こんなんつけんの、いややろ。生でエエさかい」
やさしい笑みを浮かべる彼女。その表情を見て、わたしの緊張や不安もやわらいだ。
「ほな、ウチがちゃんとできるようにしたげる。こんなことするのん、特別やで」
彼女はわたしの股間に顔をうずめ、うな垂れた部分を口にふくんだ。絡みつく舌と温かな内頬の感触。わたしの一物は隆々と頭をもたげはじめる。
「これで大丈夫やね」
彼女はわたしを布団の上にあお向けにし、脚を広げて馬乗りになる。そして、わたしの先端を裂け目にあてがうと、ゆっくりと腰をおろす。
「う、うん……」
うねうねとうごめく膣襞と加わる圧力。快感は全身を駆けめぐり、我慢はすぐに限界をおぼえる。
「も、もう……」
「もうイクのん。エエよ、出しても」
「けど……」
「エエの、きょうは中に出してエエ日やから、うん、エエよ、そのまま……!」
わたしは、彼女にいわれるまま射精した。わたしの上から降りた彼女は、ティッシュで内ももをぬぐう。
「気持ちよかった?」
「はい」
「よかった。けどもう、こんなとこ来たらアカンで」
「え?」
「あんたにおうたかわいい子見つけて、もういっぺん、ちゃんと男になり。それからや、遊びで女抱くのは」
わたしは彼女の情け深い言葉に感動すらおぼえた。
その後、彼女に見送られて店を出た。先に済ませた友人は、情けない表情でうつむいている。
「お前、どうやった?」
「え、まあまあかな」
「そうか、わいは最悪や」
その後、わたしは同級生の彼女ができ、2度目の行為は、親の留守をねらってわたしの家でおこなった。そして、大学に進み、社会人となり、結婚もし、その時々で、真剣に、もしくは遊びでセックスを楽しむ。
けれど信太山での初体験は、いまになっても忘れることが出来ない。あのとき相手をしてくれた彼女の言葉とともに。
- 【選者紹介】
- 長月タケオ(ながつきたけお)
- 1962年生大阪府出身在住。1988年官能小説誌への投稿でデビュー。
- 1995年第1回ロリータ小説大賞(綜合図書主催)佳作受賞。
- おもな著作『ひとみ煌めきの快感~美少女夢奇譚』(蒼竜社)
- 『病みたる性本能』(グリーンドア文庫)
- 『禁断の熟女』(ベストロマン文庫・共著)
- 『19歳に戻れない』(扶桑社・電子版)
- 『誘惑する女 熟女たちの悦楽』(九月堂・電子版)ほか
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- 誘惑する女 熟女たちの悦楽 長月タケオ短編集
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