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中高年の性告白

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長月タケオ選「中高年の性告白」第63回 岐阜県在住K・Kさん(61歳)の告白【友人の彼女と初体験した16歳の夏】

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長月タケオ選「中高年の性告白」第63回 岐阜県在住K・Kさん(61歳)の告白【友人の彼女と初体験した16歳の夏】

このコーナーは官能小説家の長月タケオ氏が一般の中高年読者から寄せられた「性の告白」をご紹介するものです。そこにはシニアである我々同世代が共鳴する「あの頃」の時代背景があり、実体験ならではの生々しい「性の現実」があります。懐かしくも妖艶な古き良き官能の世界をご賞味頂ければ幸いです。編集長

【友人の彼女と初体験した16歳の夏】

K・K 61歳 岐阜県在住

16歳になってあこがれのオートバイ免許を取った。理由はもちろん、女の子にもてるためだ。当時の自動二輪免許は小型限定と限定解除の2種類で、限定解除であっても教習所に通えば割合簡単に取得できた。つまり、合格すればナナハンであろうがハーレーであろうが運転できたわけだ。

その頃の人気車種はホンダのCB750かカワサキのZⅡ。しかし販売価格が約40万円と、高校生の身分でとてもじゃないが買える代物ではない。仕方なく、中古のCB350を先輩から安く譲ってもらった。

当初のもくろみどおり、オートバイを持つと女の子にもてた。オートバイ通学は禁止されていたが、学校の近くの空き地に泊め、そこから歩いて通っていた。

そのころは、ヘルメットの着用義務はあれども罰則がなかったので、放課後に声をかけるとすぐに後部シートにお迎えすることができた。中には学校から家に送ってもらう順番を決める女の子グループもあって、わたしは毎日のように違う子を乗せて走ったりもした。

そんなウキウキした毎日だったが、特定の子と付き合うとか、ましてや二人だけでベッドインという経験はなかった。早い話が童貞だったわけである。

「女の子にもてたい」ということは「早く童貞を捨てたい」にほかならない。けれど告白する勇気はなく、そんな雰囲気になっても照れ隠しの冗談でごまかしてしまう。

また、結構より取り見取りの状態でもあったので、一人に絞りきることができない。あとから知ったことだが、わたしがあまりに人気者だったので、女の子たちも遠慮していたらしい。

「女の子にはもてる、けれど付き合うことはできない。結果、童貞のままである」

こんな悪しき法則が、わたしの中には出来上がっていた。

楽しい反面、うつうつとした気分にもなる毎日。わたしの後部シートにまたがった女の子の中には、別の男と付き合いだす子もあらわれはじめる。

「これじゃあタクシーと変わらないじゃないか!」

そんなことを思いながら、うっぷん晴らしに一人で海に走り出す日々であった。

オートバイの所有は、ガソリン代に整備費、そして修理費と維持費がかかる。学校で禁止されていたのでアルバイトもできず、親からもらう小遣いだけでは到底やりくりできない。

仕方なく手放してしまおうかと考えていたある日の夕方。中学時代の友人とバッタリ出くわした。友人のとなりには、みょうに色気のある胸の大きな女の子がたたずんでいる。

彼女はわたしを見、そして乗っていたオートバイに視線を向けた。

「へえ、ホンダのサンハンか。買ったのか?」

友人はわたしに言う。

「まあな」

「400を買うカネはなかったと見た」

「るせえ!」

冗談を言い合い、わたしはその場を離れようとした。そのとき彼が連れていた女の子が、いきなりオートバイの後に飛び乗ったのである。

「ちょうどいいわ、家まで送ってって」

わたしはおどろき、友人に確かめる。

「いいのか?」

「いいんじゃねえのか」

ぶすっとした表情で友人は答えた。

「それじゃあ、まあ」

わたしは不審に思いながらも、その女の子を乗せ、走りはじめたのであった。

町中を通り過ぎ、彼女のいうとおり郊外の新興住宅地へオートバイを飛ばした。彼女はわたしの腰に手をまわし、身体を密着させてくる。

夏場のことだったので両方とも薄着だ。彼女の乳房の感触が背中に当たり、かすかな興奮をおぼえる。

「こっちでいいの?」

「う、うん……」

距離を延ばすにつれ、彼女の声はうわずりはじめていた。

そのころ、わたしのオートバイはシリンダーの調子が悪く、振動が激しかった。修理すればなおるのだろうが、そんなカネはない。またショックもへたっていて、道路の凹凸がまともにシートに伝わってくる。

それが幸いしたようだ。

彼女はいつしか、わたしの背中まで熱くなるような息を吐きはじめた。

「大丈夫? 気分、悪くない?」

「うん、大丈夫……」

とはいうものの、背中に嘔吐されては困る。わたしは急いで彼女を送り届けようとした。

しかし、家までの距離はかなりあるらしい。日は暮れてくるし、道はどんどんひと気のない山の奥へと進んでいく。

「このまままっすぐでいいのかな?」

わたしは不安になり、スピードをゆるめてたずねた。けれど、彼女から答えはない。

わたしはオートバイを停め、うしろを見る。すると彼女はわたしにしがみついたまま、荒い息を吐いている。

「どうしたの? 本当に大丈夫?」

すると彼女は突然、身体を伸ばし、わたしのほほに手を当て、唇を重ねてきたのであった。

わたしはおどろきつつも、彼女の舌のまさぐりを素直に受け止めた。歯ぐきがなぞられ、舌が絡まりあう。

キスの経験はあったが、これほどまでに濃厚なのは初めてだ。そのやわらかな感触に、わたしの股間は大きく勃起する。

「ねえ、オートバイを隅に寄せて」

顔を離した彼女は潤んだ目でいう。

道路わきには草むらが広がっていて、入り込めば二人の姿をかくしてくれる。

オートバイを停めると彼女は急いでシートからおり、わたしの手を引いて草むらの中に引きずり込む。そして、彼女の方からわたしを抱きしめると、ふたたび長くてディープなキスが交わされた。

唇を重ねあい、抱き合ったままひざを折り、伸びた雑草を押し倒してわたしたちは寝そべった。彼女はわたしの上におおいかぶさる形となり、ズボンに手を伸ばしてベルトをはずしてくれる。

「ねえ、ねえ、お願い」

あせるようにわたしのズボンを脱がし、パンツをおろす。あらわれた一物は、すでに大きくとがり、反り返って下腹をたたく。

「もう、我慢できないの」

彼女はそうつぶやいて、わたしをつかみ口にふくんだ。

温かなぬめりが全体をおおいつくし、うごめく舌が先から根もとまでなぞる。

「ちょ、ちょ、ちょっと、待って」

わたしは身を起こして彼女を制した。

「いきなり、そんな……」

「わたしじゃダメなの?」

「いや、そういう意味じゃなくて……」

わたしは自分が初めてなのを、打ち明けるかどうか迷った。けれど彼女は動揺するわたしを見て、童貞であることを見破ったようだ。

「ふふふ、安心して」

闇を照らす満月を背に、妖しくほほ笑んだ彼女は、もう一度、わたしをふくんだ。そして激しく頭を揺らす。

「あ……!」

わたしはだらしなく放出してしまう。彼女はドクドクと吐き出される精液を受け止め、コクリと飲み込んだのであった。

「さあ、これで余裕ができたでしょ」

彼女に愛しさをおぼえ、今度はわたしがおおいかぶさる。そして彼女の乳房を揉みながら、スカートの中に手を伸ばす。

パンティの脇から部分をさぐると、すでにじっとりとした蜜がにじみ出ていた。

「うん、はやくぅ」

彼女は挿入をねだる。わたしは慣れぬ手つきでパンティを脱がし、そしてゆるやかに閉じた肉裂に、よみがえった一物をあてがう。

とはいうものの、挿入箇所をなかなかさぐり当てることができない。しかし、彼女はやさしくわたしに手をそえ、自分で導いてくれたのである。

「あ、く……」

カリ首が肉ビラをかき分け、もっとも奥まで到達するほどねじ込むと、彼女はあごをあげて眉根にしわを寄せた。

わたしはまとわりつく粘膜と蜜のぬるみ、呼吸するかのように伸縮をくり返す締まりを感じ取る。腰を揺らしながら抜き差しをくり返し、彼女のシャツをまくってブラジャーをはずし、夜目に白く浮かびあがる乳房にむしゃぶりつく。

「そ、そうよ、そこ、やああん、ダメェ、もっとぉ!」

わたしは無我夢中で腰を振った。興奮と快感で、相手をいたわる気持ちなどなくっている。

けれど彼女は、がさつなわたしの行為に歓びをあらわにする。

「やああん、だめぇ、もう、いい、あん、イクう!」

わたしも到達が目前に迫る。まさかそのまま射精するわけにもいかないから、ぎりぎりまで我慢して抜き出し、外でほとばしりを放った。

その後、彼女はポケットからハンカチを取り出し、後始末をするとさっさとパンティをはく。余韻で虚脱を感じていたわたしは、そんな彼女をぼう然と見つめていた。

「ねえ、あのオートバイ」

「はい?」

「修理した方がいいわよ。振動が激しすぎる」

「そう……、ですか」

「そう、だから我慢できなくなっちゃった」

彼女はわたしの友人とケンカしたあとだった。単純にやきもちを焼かす目的でわたしのオートバイにまたがったが、振動が身体を刺激し、たまらなく発情してしまったらしい。

「だから、家までは歩いて帰る」

「いや、送って……」

「いいの、またシたくなったら困るから」

そういって、彼女は草むらから出ていった。わたしは青い雑草の臭いと夏虫の音に囲まれながら、後姿を見送るしかなかった。

数日後、例の友人とふたたび会うことがあった。なんでも彼女とは別れたらしい。

「年上で美人でスケベで、いうことなかったんだけどな」

「へえ、年上なんだ。道理で」

「道理でって、どういう意味だ」

わたしは口をつぐんでごまかす。

その後、オートバイは修理する前に壊れてしまったため、やむなく手放した。18になると車の免許を取り、二輪は原付以外乗っていない。

この前、偶然通りかかった中古オートバイ屋の前でCB350を見た。もちろん、わたしが乗っていたものではないが、懐かしさで思わず立ち止まってしまう。

記憶の底からよみがえる草むらの匂い、虫の声、そして彼女の面影、感触、声。

だからといって、そのオートバイを買い求める気持ちはない。若いころの思い出は、あのころに残しておいた方がいい。

そんなことを考えながら、その場から立ち去ったのであった。

  • 【選者紹介】
  • 長月タケオ(ながつきたけお)
  • 1962年生大阪府出身在住。1988年官能小説誌への投稿でデビュー。
  • 1995年第1回ロリータ小説大賞(綜合図書主催)佳作受賞。
  • おもな著作『ひとみ煌めきの快感~美少女夢奇譚』(蒼竜社)
  • 『病みたる性本能』(グリーンドア文庫)
  • 『禁断の熟女』(ベストロマン文庫・共著)
  • 『19歳に戻れない』(扶桑社・電子版)
  • 『誘惑する女 熟女たちの悦楽』(九月堂・電子版)ほか
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