（３）急な温度の変化に気をつける

　特に、この季節は温かい寝室と寒いトイレや浴室などを往復すると、その温度差で血圧が大きく変動する「ヒートショック」を起こし、心臓発作や脳卒中の引き金になることもある。また、その危険性は、血圧やコレステロール値が高かったり、不整脈が頻繁に起こる人ほど高い。「心臓発作や脳卒中は、血管に脂質がこびりついて起こる動脈硬化が大きな原因になります。血圧やコレステロール値、血糖値が高い人は、この動脈硬化が進行している可能性が高いため、突然死のリスクも高くなるんです」（前出の石蔵教授）

　つまり、（４）日頃から食事や運動に気をつけ、血圧・コレステロールの改善に努めることが大切だ。実際、高齢になってもお盛んな男性ほど、食事や運動をしっかり管理している。

　今も月１～２回の頻度でＡＶに出演している日本最高齢ＡＶ男優の徳田重男さん（８２）の場合、食事は野菜が基本で、これに卵と魚を加えた和食主体の食事を心がけているという。「おかげで、血圧やコレステロール値などの生活習慣病項目は、すべて“優”ですね」（徳田さん）

　また、７０歳を超えてタイにマン遊旅行に行き「１０日で１２人の女性のお相手をした」と笑う漫画家の成田アキラさんは、「食べ過ぎず、バランスを考えた食事」と「毎日３０分のウォーキングと自己流太極拳」を心がけているという。

「やはり大好きなセックスをしたいからという動機が大きいんですが（笑）、実際、日常の他の場面でも、健康で良かったと思えることが増えますよ」（成田さん）　まずは体が資本。安心して、ひと勝負できる体を整えたら、お次は“最中”の注意事項だ。

（５）勃起しなくても焦らない、意地を張らない

　ひと言で言えば、心臓と血管に負担をかけないセックスをすること――これがポイント。そうした負担の大きな要素の一つは、ストレスだ。特に、中高年は“勃たない焦燥感”が大きなストレスになることが多い。「そんなときは、バイアグラなどＥＤ治療薬を使うのも手。中高年男性の中には抵抗があったり、副作用や依存性が心配という方もいるんですが、それより、うまくいかない焦りや恥ずかしさを感じてしまうことのほうが悪いんですよ」（石蔵教授）

　ＥＤ治療薬は、もともと心臓の薬として開発されたもの。心臓に悪いどころか、むしろ適切に使えば血流促進などプラスに作用するし、依存性や副作用もほとんどないのだ。