セックスの最中、女性のあるポイントを愛撫した途端に息が乱れ、驚くほどにアエギ始めたこんな経験は、きっと多いはずだ。女性があられもなく乱れる性感帯とは、そもそも何なのか。そして、どう攻めればいいのか。男にはイマイチ分からない、オンナの性感帯の謎と実際の攻略法を探った！

「性感帯といっても、快感を引き起こす特別な神経があるわけではないんですね。つまるところ、性感帯は触覚の延長線なんです」
こう解説するのは、性医学に詳しい志賀貢・横浜悠愛クリニック院長である。
皮膚には何かが触れたり圧迫されたときに反応する触覚細胞というものが点在している。
基本的に、これが多く集まって刺激に敏感になった場所が、性感帯になりやすいという。

「その典型が乳首です。もともと、乳首の触覚は、おっぱいを吸う赤ちゃんの状態を知るために発達しました。女性の体の中でも敏感な部分であり、ここを男性に愛撫されることで、触覚が性感に変わるんです」（前同）

ところが！　触覚がそれほど敏感ではない箇所でも、超一級の性感帯になるケースがあるという。
それは、内ももだ。

事実、ここを愛撫されて感じる女性は多いが、志賀院長の調べでは、内ももは触覚細胞があまり多くないというのだ。
「触覚が多い所が、そのまま性感帯になるわけではないんですね。触覚が性的なものと結びついて初めて性感帯になるんです」（同）
内ももで感じる女性が多いのは、“局部を見られている”とか、“次は局部にくるかも”という羞恥心や期待があるからだそう。
この内ももの例で考えると、性的要素さえ結びつけば、女性は全身が性感帯になるということなのか？

「作家の五味康祐さんは、生前、私に“万婦すべて、名器なり”と話したことがあります。女性の体は男の愛撫次第で感じる体になるし、名器にもなるということなんです。女性の性感帯は、ずばり男が開発するものなんです」（同）

なんと！　しかも、この考えには、作家の岩井志麻子さんも「女の性感帯は男とのセックスで開発される後天的なもの」と、激しく同意するのだ。
「叶姉妹の叶恭子さんが“性感帯はどこですか？”と聞かれ、“脳です”と答えていたんですが、私もその通りだと思います。女性は脳で性感帯を作るんですね。その意味で、女は全身に性感帯があると言ってもいいし、また、逆に性感帯を開発してくれる男性がいなかったら、性感帯などないとも言えます」

つまり、男性次第で女性は全身性感帯へとエロ変貌するというわけなのだ！
これはぜひとも確認しなくては、ということで、女性たちにどこが感じるか、実際に聞いてみた。

まず「男に開発された性感」の典型的な例を２つほど紹介する。

丸の内ＯＬの理香さん（２６・仮名＝以下同）は、入社間もない頃、職場の中年男性と初めてのセックスをした。
「その先輩はエッチのときに“大丈夫？　痛くない？”と言って、優しく髪を撫でてくれたんですね。そうやって髪の毛を撫でられると、気持ちがホワ～ンとして、体がジーンと温かくなるような快感があったんです。これは、次につきあった男性のときも同じで、エッチのときにその彼に髪の毛を掻き上げられると、体がジーンと痺れる同じ快感があったんです」

総合病院ナースの絵美さん（２７）は学生の頃、バイト先の店長と何度か体の関係を持ったことがあった。
「彼はアソコを指で愛撫するとき、耳元で“わあ、こんなに濡れてる。エッチなささや子だねえ”などと囁いて、私をエッチな気持ちにさせながら、唇で私の耳をハミハミ甘噛みしてきたんですが、その影響なのか、今でも耳の愛撫に弱くて……。カラオケでデュエットしてるとき、男友達がふざけて耳元に口を寄せたんですが、それだけで体がへなへなっとなるほど感じちゃって、大変でした（笑）」

この２つのケースは、性感の新規開拓には、ただ触るだけでなく「言葉によるエロ暗示」が有効だということを示している。
また、普段であれば、触られるとくすぐったいだけの脇腹や足の裏なども、“感じるポイント”に変貌する。

女子大生の里奈さん（２２）も、その体験を語る。
「今の彼は、エッチのときに肋骨と肋骨のくぼみに舌を差し込むように愛撫するの。初めてされたときはくすぐったくて身をよじって逃げようとしたんだけど、彼は私を押さえて離さないんですね。仕方なく、そのくすぐったさに耐えてたら、そのうち快感に変わって、しかも濡れだすようになって……。自分で言うのもなんだけど、女の体ってホント不思議ですよね」

くすぐったく感じる箇所には自律神経が集中していて、感覚が敏感なのは事実だが、このくすぐったさと不快さはイコールではない。
実は、くすぐったさを我慢すると、オセロの黒が白に変わるように、快感へと反転することがあるのだ。