（１０）行為後、胸や頭に異常があったら、すぐ病院へ

　さて、最後に大事なのは“アフターセックス”の過ごし方。といっても、これは後戯のことではない。冒頭で紹介した上野氏の調査報告によると、腹上死するのは、実はセックスの真っ最中ということは意外に少なく、実際は、行為が終わって数時間後のケースが多いというのだ。

「そもそも、腹上死自体が“セックス＝女性の腹の上”という連想からきた造語ですが、本来は“セックスに伴う突然死”全般のことと考えたほうがいいんです」（医療ジャーナリスト）

　特に心臓発作は遅れてきがちで、終わって寝ているときに突然、胸を押さえて苦しみ始め、そのままという例もあるようだ。セックスが終わったあと、急に胸が締めつけられる感じがして息苦しくなる、あるいは頭が痛いなどの自覚症状があるときは、心臓発作や脳卒中の前兆。

「こうした病気は時間との勝負です。終わったからと満足して、すぐ眠らず、相手と話したりしながら、意識して自分の体調を観察し、前記のような自覚症状があった場合は、すぐに救急車を呼ぶことも考えたほうがいいでしょう」（前同）

　本来、セックスは若返りと健康の妙薬。中高年の皆さんは“自分の限度”をしっかり考え、安全・安心のナイトライフをお楽しみください！