国税が睨む脱税と外為法違反

だが、そんなドス黒いビジネスは当然、被害者も生み出している。証言するのは、中国人御曹司Ｚが出資し、事実上Ｙが仕切っていたモデル事務所で働いていた元関係者だ。
「うちの女の子が、Ｙに呼ばれて中国人セレブが泊まる六本木の超高級ホテルに行ったんです。部屋を訪ねるとＹはおらず、面識のない中国人男性のみ。やおら、男に押し倒された女の子は、なんとか振り切り、ホテル内の廊下を走りながら私に電話してきたんです。泣きながら、“これ、どういうことですか!?”って。あまりにもひどいやり方ですよ！」

この悪辣な「ＳＥＸクラブ」はできて数年。このように、トラブルも散発するようだが、まったくと言っていいほど、その存在は知られていない。というのも、前述のように、“顧客”は外国人、現場も海外ということが少なくないからだ。
加えて、ＸとＹは“仲介手数料”をもらわず、事業出資という形で還元してもらっていることから、金の流れを追うことが非常に困難になっている。だが、ここにきて綻（ほころ）びも生じてきているという。全国紙社会部記者が話す。

「元締めのＹは、万が一、事が発覚しても責任を問われないように、グループ企業の代表者にはダミーを就けながらも、自分が会社の代表印や通帳は握っているといいます。しかも、税金を支払うのはバカらしいと一切税務申告せず。だが、それではさすがに税務署に睨まれると思ったのか、数年で会社を清算し、新たな会社を立ち上げています。ですが、複数のダミー社長との間でトラブルが発生し、前述のような被害女性のトラブルが表面化する可能性もあり、脱税、外為法違反で国税が内偵しているとの情報もあります。そして、一部では中国マフィアの影がちらついているという話も出ていますね」

さまざまな角度から疑惑が噴出する「芸能美女ＳＥＸクラブ」。闇と謎は深まるばかりである。法の網をかいくぐろうと動く彼女たちだが、事実なら許されることではないはずだ。
追及の手は、そこに届くのか――。