１６年たっても覚えていた愛撫

ベージュ色のブラウスも上品な中西珠代さん（４３）は昨年暮れ、独身の頃に不倫していた男性と１６年ぶりに会ったという。
「Ｙさんという、当時４２歳の上司だったんですが、“今の会社を辞めてベトナムで仕事をする。その前に一度、君に会いたい”と言うんです。最初は会いたくないと突っぱねたんですが、“ベトナムに行ったら、もう日本には帰らない。妻とも離婚したから、あちらで骨を埋めるつもりだ”というので、会うだけならと思い、会うことにしたんです」

不倫していた頃、Ｙさんを本気で愛していた彼女は、奥さんに引き戻された彼を恨み、半ば自暴自棄になって現在の夫と結婚したという。
「Ｙさんのことは恨んでいたはずなのに、待ち合わせたホテルのロビーで彼の顔を見たとたん、私はこの人がまだ好きなんだと……」
家を出るときは、彼と体の関係を復活させることなど、さらさら考えていなかったが、結局、その夜、彼とセックスをしてしまったという。

「彼とはもう一生、会うことはないというのもあったんですが、初めてセックスの奥深さを教えてくれたのがＹさんで、ふっと彼の体臭を感じると、どうにも自制できなくて……」
そして、体は正直だった。
「１６年が経っても彼の愛撫を体が覚えていたし、彼が中に入ってくると、“ずっと、これが欲しかったんだ。夫のじゃなかったんだ”と思って……。彼とは、あの夜が最後になったんですが、たぶん、あれ以上のセックスは、これからもないと思います」

人妻たちは、普段の夫との行為では絶対に得られない極限の快感を、不倫セックスの中で味わっているのかもしれない――。