８月24日、女性用下着を盗んだとして窃盗の疑いで逮捕された秋田県の元住職の男（59）の初公判が、秋田地裁で開かれた。

事件が起きたのは今年６月16日午後11時半ごろのこと。元住職はアパート１階のベランダに干してあった女性用の下着を盗もうとしたところ、物音に気づいた被害者の夫に声を掛けられ、慌てて逃走。その後、通報を受けて付近を捜索していた警察官に身柄を取り押さえられた。

今回の公判で犯行時の詳細とともに明らかにされたのは、この元住職のとんでもない趣味。検察側の冒頭陳述によると、元住職には女装の趣味があり、犯行時もスカートにハイヒール姿だったというのだ。下着の窃盗も自分が身につけるためのものだったのだろうか……。

元住職が女性用の下着に興味を持つようになったのはずいぶん早く、小学校高学年の頃。20歳ごろから盗みを始めるようになり、結婚後に窃盗容疑で逮捕されたこともあるという。その後しばらく盗みをやめていたようだが、再発を繰り返し、50代になってからはなんと女装して外出するようになったそうだ。

事件当日は自宅兼寺院を車で出発し、車内で女装。犯行の際、庭でカツカツとハイヒールの音がするのに気づいた被害者の夫に「おい」と声を掛けられると、「俺、関係ねえ！」と言って車に逃げこんだという。ヒール姿の一見女性の姿を見て声をかけたら、野太い声で叫ばれたら、普通の人なら相当驚くだろう。

元住職は警察の捜査段階で「夜中に下着を干していると、こんなふうにして盗られると世間に知らしめたかった」と供述しているという。まさに盗人猛々しいことこのうえない。

逮捕後に住職を辞職したこの男に、検察は懲役１年を求刑。一方の弁護側は、被告が性犯罪者専門医の治療を受け始めたことなどを理由に執行猶予付きの判決を求めた。判決公判は９月11日に開かれる。