挿入中に元彼が"愛の告白"

上品な淡いクリーム色の洋服で取材に応じてくれた斉藤絵美さん（３４）は、商社に勤める夫（４４）と職場結婚をして現在は専業主婦をしている。昨春、夫が家に持ち帰った人事の書類を見て、内心ドキリとしたという。
「夫の部署に新しく配属された男性社員の中に、結婚前につきあっていた元カレの名前があったんです」

元カレの沢田さん（３８）は、彼女が初めて性的関係を持った相手で、２年ほど交際していた。
「彼が海外転勤になって、親が結婚に反対して別れたのですが、２年後に今の主人と結婚したあとも、ずっと彼のことが頭から離れなかったんです」

沢田さんと再会したのは、実家の父親が入院している病院に行った帰りだった。
「彼の今住んでる家が、病院と最寄り駅が同じで。見舞いの帰りに駅でバッタリ会ったんだけど……なぜか、その日は彼と会えるような予感があったんです」

その日は喫茶店で話をしただけだったが、梅雨入り前の日曜日、昔２人でよく行っていたバーで密かに会った。夫や子どもへの後ろめたさはあったが、その日に体の関係も持ったという。

１０年過ぎて、彼のセックスも少し変化していた。
「よく言えば落ち着いたということなんだけど、若い頃のしゃにむに求める情熱みたいのが感じられないんですね。私のほうも緊張して、最初は楽しむどころじゃなかったんですが……」

だが、インサートするときに目と目を合わせたときだった。彼が、
「ああ、絵美。本当は君と結婚したかった。今でも……正直、君を愛してる……」
切なそうな声で言われ、額の髪を撫でられると、自分でもおかしなぐらい体が熱くなったという。

「女の体って不思議ですね。あのひと言で体にボッと火がついて、昔のように、いえ、昔以上に感じていたんです。きっとセックスってテクニックとか、そんなのじゃないんですね」

だが、この不倫セックスは１回きりで終わった。
「結婚前に私と彼が恋仲だったことを知った夫が、彼に何か話したらしくて……。彼のほうから"もう会わないようにしよう"と言ってきたんです」

初夏の不倫愛は梅雨明けまでは持たない――だからこそ燃えるのかも……。