「自分に落ち度があるとすれば、騙されて最初に金を払ってしまったことですが、立場的には完全に被害者。でも周りにはそう思われず、それから漫画みたいにゾロゾロと近くにいたキャッチが集まってきた。漫画の『新宿スワン』に出てきそうな奴が１０人くらい（苦笑）」

　井原氏は酔った頭にも、とっさにマズいことが起きたと判断し、その瞬間、全力で駆け出したそうだ。「歌舞伎町の客引きに、あんなに横のつながりがあるとは思わなかった。最後はケツ持ちのヤクザみたいな人にまで追いかけられて、とにかく、めちゃくちゃ走った。靖国通りに出てタクシーに乗り込んで、なんとか逃げ切れました」

　女に触れることなく結果、合計約４万円の出費というから、けっこうなボッタクリである。歌舞伎町が浄化されたのは、あくまで表向きの話なのかもしれない。最後にもう一人。今度は、ちょっと別の意味で怖い風俗の話をしよう。

「自分はデリヘルのドライバーですが、ホテルへの送迎以外にも、終電後に仕事を終えた女の子を自宅へ送るのも業務の一つです」　こう話すのは、中央区発を謳う高級デリヘルのドライバー（５４）だ。今回は特別に、車に同乗させてもらって、取材を敢行したのだが……。

「最近、家まで送った女の子が一人、送った翌日に事故で亡くなったんです。それ以降、この車で女の子をお客さんのところに送るたびに、何か起きる。乗ったデリヘル嬢がヒールを踏み外し、階段から落ちて骨折したり、一日に何度も射精することで、店でも有名な絶倫の常連客に女の子を送り届けたら、なぜか、まったく勃たなかったり……」

　ちなみにその後、他の車で送った際には、その常連客はちゃんと勃ったという。取材後、記者がドライバーのインタビューを終えた音声を聞こうと再生すると、なぜだか、レコーダーには誰の声も入っていなかった。記者が季節はずれの怪談に背筋を凍らせたのは言うまでもない。病気上等の風俗嬢にボッタクリに幽霊（？）まで……。時代が変わっても風俗店は魑魅魍魎が跋扈する場であるのは、変わらないらしい。よくよく下調べして、遊ぶことをお勧めしたい。