不倫を決断した“あの汚れ”!!

　４月のとある水曜日、既婚者サークル『Ｘ』お昼の部に参加した加藤ローサ似の香織さん（３５）は、当日の朝も夫とケンカして家を出てきたという。

「今、娘が３歳で、ただでさえ毎日せわしないのに、ヤツ（夫）は結婚前と同じように、自分の服は脱ぎっぱなし、食器は下げない、朝も私が起こしたら“何、その起こし方？”と逆ギレ。自分のことも何もやらず、“あんた、私の子ども？　大人なんだから自分でやってよ！　私は仕事も家事も育児もやっているのに！”って感じで、一緒にいるだけでストレスなんです」

　鼻息荒くまくし立てる彼女には夫婦間で、いわゆる“産後クライシス”が続いていた。産後の環境の変化などを機に、夫婦間に亀裂が入る現象だ。「決定的だったのが、トイレの汚れ。床にヤツの尿がこぼれているのを見て、“ああ、もう限界”と、ムシャクシャが最高潮になったんです。予約だけして迷っていた『Ｘ』に、娘が保育園に行っている間に参加したんです。有休を取って」

　女子大時代に合コンをしまくっていた香織さんだけに、すぐに「当時の勘がよみがえった」という。「独身同士の合コンと違って、ギラギラしすぎなウザイ男もいないし、コミュニケーション能力も高いし、既婚者という共通点があるから愚痴も言い合えるのがよかったですね。中でも愚痴を聞いてくれた男性とは、定期的に会ってますよ」

　定期的に、つまりは“不倫パートナー”ということか、との問いに、彼女は歯切れが悪くなった。「うーん、まあ……。そうでもしないと毎日やってられませんよ。彼はヤツと違って優しいし、何よりホテルのトイレを汚さないところがいいんです。実は今日も、娘を実家に預けて彼と会うんです。娘に対しては罪悪感がありますが、ヤツに対してはまったくありません。一緒に住んでやってるだけ、ありがたく思ってほしい。まあでも、大丈夫ですよ、私は不倫にはハマりませんから」

　テーブルに置かれた香織さんのスマホが震える。目をやると、＜早く逃げておいで。香織姫＞というメッセージが。彼女は気づかぬうちに、不倫という底なし沼にズブリと足を取られているようだった。

　一方、最初からはっきりと「不倫したかったから」という動機を持って『Ｘ』に参加したのは、朝美さん（４２）。きっかけは、親友に彼氏ができたことだった。「親友は、借金癖がある夫と離婚して数年たつシングルマザーでした。それまでは苦労ばかりの彼女でしたが、彼氏と出会ってからイキイキしちゃって。出会いからエッチまでを赤裸々に語ってくれたんです」

　彼と夜の公園を散歩したこと。近所の居酒屋から自転車で２人乗りして帰ったこと。そして、初めて彼の部屋で結ばれたこと。まるで女子高生のような瑞々しい体験談は、朝美さんの“渇き”を浮き彫りにした。