地下アイドルが２万円で売春

「現役のタレントほど、デートはなく、待ち合わせたホテルで行為だけということが多い。男性会員が一般女性を望むのは、野球観戦に行ったり、温泉に行ったり、本当のデート感覚を味わえるという理由が大きいかもしれない」
自分の股間に顔を埋めるＭを呆然と見下ろしつつ、記者は、初田氏のそんな言葉を思い出していた。こうして本物のタレントを、体の下に組み敷いてみると、はたして本当に夢があるのか、ないのか……。

後日、感想のついでに紹介者の江藤氏を訪ねると、それほど感動しているわけでもない、こちらの気持ちを察したのか、彼はもう一つ驚くべきネタをくれた。
「東京のデートクラブは結構、即物的ですよね。ただ、福岡は少し事情が違う」
福岡は違う？　なぜ、ここで突然、ピンポイントに福岡の話が出てきたのか？
「福岡は日本屈指の地下アイドル王国。あちらさんは結構ベッタリですから。天神あたりのデートクラブは、タレントでも、指名されないと、２万円の援デリに回されることもあるらしい」

ベッタリと、頬に指を這わせて言う江藤氏。
出会い系サイトで暗躍する援デリの相場は東京でもホテル代別で２万円。地下アイドルとはいえ、現役のタレントで、その料金は破格である。
江藤氏の紹介で、今度は福岡のデートクラブ経営者を紹介してもらい、一路、博多へと向かった。

「援デリは、中洲でお茶をひいているソープ嬢とか、風俗嬢としても仕事がない女の子がメインなんです」
苦笑しながら、こう話すのは、天神でデートクラブを営む嶋康太氏（２８）。
「客を呼ぶ打ち子と呼ばれる書き込み担当のバイトが、別にいるんですが、当然、いいことを書きますよね。〈女子大に通う清楚系です〉とか……」

だが、待ち合わせ場所に現れるのは、清楚さのかけらもない化粧の濃い元泡姫。
「結局、ガセだってことで、客は待ち合わせ場所で帰ってしまい、１円にもならない。それで、たまに地下アイドルをトバすようになった。１回２万円なので、実入りは安いですが、拘束時間も３０分弱と短い。どうせ、やることは同じと、嫌がらないタレントもいるんです」
そう言って、嶋氏が写真を見せてくれた女の子は、記者には見覚えがなかったが、確かにカワイイ。その名をスマホで検索すると、Ｈの元メンバーＯとある。

「援デリで遊ぶ男と、地下アイドルのファンは、層が違いますから。彼女たちも案外、自然体で楽しんでいるみたいですよ」（嶋氏）
その夜、記者がＯと楽しんだのは言うまでもない。
大枚をはたき、東京でグラビアアイドルを抱くか。あるいは博多に飛び、援デリで格安に地下アイドルとヤレる可能性に賭けるか。男にとって本当にロマンがあるのは、どちらだろうか。