張り切るコーチにつきあわされ

「キャンプだとベテランと若手では待遇がまったく違います。若手に関しては投手だったら投げ込んで走り込み、野手はバッティングに守備と息つく暇がないのは事実です。一方、ベテラン選手は調整を一任されているので、２～３時間で切り上げることもザラにあります。練習もそこそこに、ゴルフ三昧ですよ」（前出のスポーツ紙記者）
中には、ゆっくりと調整するために二軍キャンプに帯同するベテランもいる。一軍に比べるとマスコミやファンの数も雲泥の差で、人の目につかずに遊ぶことができるのだ。

悠々自適なベテランとは対照的に、若手選手はツラいことが多いという。
「キャンプは、首脳陣が新体制になって初めて動き出す場です。だから、コーチのアピールの場でもあるんですよ。“こんな練習させてますよ”と、監督にゴマをすらないといけないわけです。たとえばＧのＹさんとＩさんは仲がいいから、そんなことしなくていいけど、他のコーチはＹさんに取り入らないといけませんから。そういう変な指導につきあわされて肩を壊したり、バッティングフォームを崩す若手が、けっこういるんですよ」（前出の元プロ野球選手）

コーチに「もっと声出せー！」と厳しく指導されているシーンをニュースなどでよく目にするが、それも、コーチのアピールだったとは……。
こうした、スポーツ新聞やテレビが決して報じない“真実”が隠されていたのだ。　そうしたことを踏まえて、今年のキャンプを見ても楽しいかもしれない。