Ｔ公園で２０代の若い女性が…

千葉駅に降り立ったのは、師走の金曜日。大勢の人で賑わっていたが、どこか東京とは違う。若者の怒鳴り声が聞こえ、交差点では寒空の下、なぜか上半身裸で交通整理をして、警察に連行されるオヤジの姿も。
規制で、がんじがらめとなった東京では消えつつある“盛り場”特有の雰囲気が漂っていたのだ。
期待感を高めつつ、まずは富士見町に向かうと、中国人から片言の日本語で、
「オ兄サン、１万デイイヨ」
と、ひっきりなしに声をかけられる。都内繁華街より、その数は圧倒的に多い。

「中国人の場合は出国する際、ブローカーから“東京はもう仕事がない”と、あらかじめ言われるそうです。成田や茨城空港から入国する彼女らは“どうせなら中国に帰りやすいほうがいい”と千葉勤務を希望する子が多いんです」（伏山氏）
大勢いるだけあって、声をかけてくる中にはリン・チーリンと見まがう美女もいたが、中国人に声をかけられるのは都内も同じ。

一方、日本人の立ちんぼを探すべく栄町のＴ公園に向かってみたが、それらしい女性はいない。
「ガセネタかよ！」と諦めかけた我々に、タクシー運転手がニヤニヤしながら話しかけてきた。
「こんな場所で誰か待っているのか？　女か？」
運転手によれば、ここはテレクラの待ち合わせに使われるらしく、何十分もいると、約束をスッポかされた男と見なされるらしい。

「たまに見に来るといいよ。待ちぼうけになっているのは、男だけじゃないから。俺も、２０代の若い女の子がずっといたから、かわいそうで“５０００円ならいいぞ”って言ったら、その値段で、車内でしゃぶってくれたよ」（前同）
なんともはや……。中には、ハナからテレクラではなく、この公園で客を待つ女性もいるという。
今回の取材で、確かな兆しが見られた立ちんぼ界のドーナツ化現象。今後の情勢の変化は、予断を許さない――。