お次は「複数プレイ」。『愛の渦』（14年）は、乱交パーティの男女の姿を描いた群像劇で、門脇麦（30）が、“性欲が異常に強い女子大生”を演じている。

「乱交パーティに初参加した彼女は最初、オドオドしてますが、全裸になってからは次第に大胆に。　最後は、騎乗位で腰を振り、大絶叫しながら絶頂を迎える乱れっぷりを見せてくれます」（映画ライター）

　劇中、着衣シーンは15分ほどしかないという過激さだ。

「厳密に言うと、乱交と複数プレイは違うんです。この映画で描かれる乱交はあくまでも1対1ですから。　知人の女性なのですが、複数プレイをしてみたい願望がありつつ、現実には頼める男性がいないということで、女性風俗を利用して複数プレイ願望をかなえたそうです」（前出の大泉氏）

　勉強になります！

「コスプレ」もマニアックだ。『ふがいない僕は空を見た』（12年）は、田畑智子（42）演じる主婦が、コミケで知り合った年下男（永山絢斗）に、自分が思い描いた通りのコスプレをさせて、エッチにふける物語。

「男が“大丈夫？　いつもゴムつけなくて”と言うと、“大丈夫だよ、計算してるから”と答える田畑が妙にイヤラしい。“ヤバイ！　出ちゃう”と言う男に“いっぱい出していいよ”と、抱き締めるシーンも見応えがありました」（映画ライター）

　大泉氏は次のように言う。

「この映画の田畑さんは、オタク女子でM気質。自分が主導権を握っているくせに、“いや、やめてください”みたいなセリフを言って、相手に攻めさせたり。“中に出していいよ”と言っておきながら“できたら絶対、産むよ”って怖いセリフを吐いたり。キスも自分からしているし、自分の欲望に忠実なんですね」

　一方、濡れ場につきものなのが、「強制プレイ」。

『蛇にピアス』（08年）は、吉高由里子（34）が渋谷界隈を徘徊する19歳のヒロインにふんしたダークなラブストーリー。彼女は、スキンヘッドの彫り師（井浦新）に両手を拘束されて、暴力的にバックで犯されるシーンにも体当たりで挑んだ。

「女性はみんな、荒々しいプレイに興奮したり、憧れの気持ちがあったりすると思います」

　と、楪さん。だが、次のように続ける。

「でも、あくまでプレイとして。生命に危機を及ぼすような暴力とは、まったく違う。許容範囲のアブノーマル行為を共有できる相手を見つけることができればいいけど、現実には難しい。だから、こういうシーンが女心に刺さるのかも」

　一方、『人間失格　太宰治と3人の女たち』（19年）では、宮沢りえ（49）が、2人の愛人がいる太宰（小栗旬）の妻を演じた。

「愛人にかまけて、めったに家に帰ってこない太宰が、たまたま帰宅して、いきなり妻の宮沢を押し倒す。乳を揉まれ、なすがままになる彼女の、やつれた表情が菩薩のようで、色っぽかった」（映画ライター）

　映画『花と蛇』（04年）は、ヒロインの令夫人にふんした杉本彩（54）が、男たちに拉致監禁され、陵辱の限りを尽くされるSM映画の金字塔と言える作品。

「荒縄で緊縛された彼女が、ムチ打ち、水攻め、ロウソク攻め、三角木馬に浣腸、さらには輪姦、潮吹きと筆壮絶な辱めを受けるのが見どころです」（芸能記者）

　壇蜜（42）が、謎の中年男（板尾創路）に調教されるOLを演じるのは、『私の奴隷になりなさい』（12年）。

「彼女が剃毛されるシーンでは、モザイク越しにヘアと女性器があらわに。股間に仕込まれたローターを遠隔操作された彼女が、感じすぎて歩けなくなるシーンもエッチでした」（前同）

　杉本や壇蜜が挑んだようなハードなSMは、女性の目には、どう映るのか？

「令和のSMは、首締め、ビンタ、腹パンチによるポルチオ刺激、“ぐりとぐら”（くすぐり＆くすぐられ）が人気です。一方、『花と蛇』は団鬼六先生の作品で、古典美を感じます。パンツをグイッと引っ張って、股に食い込ませる古き良き基本技が大事。絵的にエロいですから」（大泉氏）

　また、映画でもドラマでも「人妻の不倫」は永遠のテーマと言えるだろう。